男子4X100リレーで2連覇 陸上・関西インカレ3日目

第86回関西学生陸上競技対抗選手権大会(関西インカレ)のトラック・フィールドの部2日目が5月9日、西京極総合公園陸上競技場で行われた。男子2部に所属している神戸大は、4X100メートルリレーで連覇を達成するなど、3種目で優勝。総合得点で62点を獲得し、3日目を終えて2位につけている。【5月10日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 9日は男女あわせて20の決勝種目(十種競技を除く)が行われた。神戸大は男子400メートルで西本が48秒24で優勝したのを皮切りに、4X100メートルリレー、十種競技で2連覇を達成した。三段跳では大野が15メートル15で2位、100メートルは主将の三木が10秒87で4位に入賞した。
 タイムレース決勝として2組に分けられた男子5000メートルでは、三輪が15分29秒60で1組トップでゴールしたものの、全体では12位。2組目に出場した天野、山西も先頭集団についていけず、10位、17位と入賞を逃した。?

○15メートル越えも優勝ならず 三段跳・大野
 大野は昨年9月の全日本インカレ以来となる15メートル15を2本目にマーク。4本目終了時点までトップに立っていた。しかし、5本目の跳躍で、大市大の今井が追い風参考記録ながらも15メートル29を記録。大野に大きくプレッシャーがのしかかった。記録更新を狙った5本目は14メートル93。対する今井の6本目は15メートル28と安定感を見せた。迎えた大野の最終跳躍。昨年の近畿地区国立大学体育大会で自己ベスト(15メートル51)を出したのも6本目だった。神戸大の仲間が見守る中、大野は空中に体を投げ出した。だが、1歩目を跳んですぐに赤旗が上がった。痛恨のファール。「3本目と最後の跳躍はもったいなかった」と大野。練習不足もあり、「ぶっつけ本番」で臨んだ。ひと月前の兵庫インカレでは14メートルに届かなかった。「(今回の結果は)できすぎです」。昨年4位で表彰台を逃した雪辱を果たし、16日の走幅跳に弾みをつけた。?

Photo○大量得点で昇格に1歩前進 1万メートル競歩
 男子1万メートル競歩では、2位から4位までを神戸大勢が独占。スタート直後から、古峨の後ろに石飛がぴったりとつく展開だったが、5000メートルを過ぎたあたりで石飛が前に出た。「体のキレがなかった。(石飛が)最後まで行けばいいと思った」と古峨。自身の区切りとなるレースを後輩に託した。
 石飛はそのままペースを維持し、45分44秒02で2位。「(古峨が)遅れてきていたから、逆に僕が出たほうがいいと思った。でも(ペースが)上がりきらなかった」と振り返った石飛。2人で出場する最後の関西インカレで、初めて古峨に勝った。「いつかユニバーシアードに出てくれたら」と後輩の成長に目を細める古峨。「西日本インカレで優勝して、全日本インカレに出たい」(石飛)。石飛の歩みが神戸大競歩陣をけん引する。


○気持ちつないだ「4継」連覇 4X100メートルリレー
 「4継(4X100メートルリレー)での優勝はただの優勝じゃない」と三木。100メートルで4位に入ったエースを、前日の予選での3走からアンカーに配置。「勝負できる位置で(バトンを)渡してくれたら、あとはなんとかする」。主将として最後のインカレに、目の前のレースにすべてをかけた。
 バトンをもらったのは「3、4番くらいだった」。わずかに前を行くライバルたちを次々に追い抜き、トップでゴールを切った。リレーでの関西インカレ2連覇。「走った4人だけでなく、部員全員で勝ち取った勝利」。3年ぶりの1部昇格へ向け、すべての陸上部員の思いが乗ったバトンを最高の形でつなぎ切った。



Photo○2日間の熱戦、故障乗り越え連覇 十種競技
 8日から行われた男子十種競技では、神戸大記録を持つ西田が、1部に所属していた第84回大会を含めて3連覇を達成。左ひざにテーピングを巻き、万全ではない状態。「何度も(競技を)やめようと思った」。痛みをこらえ、走、跳、投、すべての競技をこなした。修士2年で最後の関西インカレ。「チームに貢献できてよかった」と西田。現役でただ一人、1部での優勝経験を持つベテランが後輩に最高の置き土産を残した。


 3日目までの日程を終えて、神戸大は総合成績で62点を獲得。1位の大教大とは3点差。優勝の可能性も残されている。しかし、3位の京教大との差は5点しかない。1部に昇格出来るのは上位2チームのみ。16日から行われる後半戦で失速すれば、3位に終わった昨年と、同じ苦渋を味わう可能性もある。


●第86回関西学生陸上競技対抗選手権大会トラック・フィールドの部2日目(5月9日・西京極総合公園陸上競技場で 神戸大関係分:注1)
男子2部
決勝
100メートル    三木健嗣(発達・4年) 10秒87(追い風1.8メートル) 4位(5点)
400メートル    西本翼(発達・3年)  48秒24 優勝(8点)
5000メートル   天野達郎(発達・M1)  15分14秒58 10位
         三輪樹生(経済・3年) 15分29秒60 12位
         山西大貴(工・3年)  15分40秒28 17位
4X100メートルリレー 神戸大(内賀嶋・杉本・吉岡・三木) 41秒43 優勝
1万メートル競歩  石飛雅基(発達・2年) 45分44秒02 2位(7点)
         古峨能喜(発達・M2)  46分4秒33  3位(6点)
         境芳樹(工・M1)    47分51秒15 4位(5点)
三段跳      大野翔悟(法・4年)  15メートル15 2位(7点)

十種競技(100、走幅跳、砲丸投、走高跳、400、110m障害、円盤投、棒高跳、やり投、1500)
西田勇(工・M2)   6245点(11秒38-6m55-10m21-1m85-52秒64-16秒55-30m46-3m60-54m07-4分54秒81) 優勝(8点)
國安勇年(工・4年) 5769点(11秒28-6m20-10m48-1m70-51秒47-16秒13-29m45-2m80-47m94-5分11秒81) 5位(4点)

総合得点(3日目終了時点:注3)
1位 大教大 65点
2位 神戸大 62点(トラック43点、フィールド7点、混成競技12点)
3位 京教大 57点

注1:準決勝が行われない種目のみ予選の結果を掲載。
注2:獲得できる得点は1位8点とし、順位が下がるごとに1点ずつ減少。8位まで与えられる。
注3:4月29日にロードの部が長居公園で行われているため、9日の試合は全日程の3日目となる。

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