山岳部員らが未踏峰登頂 中国・チベット自治区で

山岳部の学生2人が中国とインドの国境付近にあるカンリガルポ山群の未踏峰KG-2(推定標高6805メートル)に、神戸大と中国地質大(中国・武漢)の合同学術登山隊の一員として挑み、近藤昂一郎さん(理・M2)が11月7日に登頂に成功した。同日夕、現地の井上達男隊長(神戸大山岳会長)から、登山隊実行委員長を務める山形裕士農学研究科教授に衛星電話で連絡が入り、わかった。同山群の6000メートル以上の峰の登頂は世界初となる。【11月15日 神戸大NEWS NET=UNN】?



 神戸大登山隊は平成15年、世界で初めて同山群の6000メートル峰に挑戦。最高峰となるKG-1(ルオニイ峰=推定標高6884メートル)を目指したが、悪天候やルートが危険なために登頂を断念していた。平成19年には偵察隊を派遣。KG-2と呼ばれる未踏峰に登頂ルートを見出した。
 日本側の隊員は山岳部OBを中心に7人。平成19年の偵察隊に続き2回目の近藤さんと、海外での登山経験がない現山岳部長の石丸祥史さん(農・2年)が現役生として参加した。中国側の隊員は現役学生を中心とする10人。
 10月9日、10日に分かれて日本を出発した一行は、中国・武漢で中国側の隊員らと合流。チベット自治区のラサから同山群に入った。同18日にふもとの村を出た登山隊はベースキャンプを氷河の末端に設置。5つのキャンプを立ち上げながら、山頂を目指した。例年に比べ雪が少なく氷河が荒れていたため、登山隊はクレバスを避けながら慎重に歩みを進めた。
 今回登頂に成功したのは、近藤さんを含め4人。中国側の学生2人が5日、初登頂に成功した。近藤さんは日本側の隊員3人と7日の午前8時(現地時間)、キャンプC3(推定標高約5900メートル)を出発。午後から悪天候に見舞われ、難しいコースに手間取ったが、頂上直下の雪庇(せっぴ)を突破。山岳部OBで兵庫県職員の矢崎雅則さんとともに午後3時36分、第2登に成功した。石丸さんは登頂こそしなかったものの、C3地点で隊員らのサポートを担った。

 「感無量です」と山形教授。自身は10月25日に帰国し、神戸大で日々隊員からの連絡を待った。登頂成功後、現地の山田健副隊長からは「全員が持てる力を精一杯に発揮した。1人が欠けても登頂できなかった」と報告を受けた。
 7日の報告後、丸4日近く連絡が無かったことに関係者は心配したが、一行は11日に無事にふもとの村に下山した。
 隊員らは11月下旬に帰国予定。12月26日には、農学部キャンパスで報告会を行う。

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