学生同士の交流深め 2011兵庫建築一揆


‘脱建築’をテーマにした合同建築ワークショップ、2011兵庫建築一揆が、3日から5日にかけて、KIITO(兵庫県)で行われた。 このイベントは、6つの大学の建築学科の学生が参加し、チームに分かれて課題に取り組むというもの。最終日にはチームによる発表と外部からのゲストによる審査が行われ、会場には多くの建築学科生が集まり、交流を深めた。【5月20日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 このイベントは、審査員から与えられた‘SHERA’という言葉を基に、JR新長田駅周辺の街を変えるという課題を、グループごとに72時間でまとめ、発表するというもの。最終日には、あえて建築物を減らすというアイデアや公園に1人で過ごせるスペースができる建物など、課題に沿いつつも独創的な構想が各自出来上がった。最後には、2人の審査員とコメンテーターによる選定が行われ、選ばれたチームには賞が贈られた。  ?

 この試みは、建築を学ぶ学生同士の交流という目的で、去年から開催されている。そのため、発表を行うグループもそれぞれの大学から集まって構成された。同じ建築学科と言えど、教わる内容や方法は大学ごとに大きく異なる。「自分たちが思ってもみない見方に出会い驚いた」と話すのは、小川紘司さん(工・4年)。小川さんもグループの一員として参加した。グループ内によっては、 意見がなかなか合わず、苦労したところもあったという。?

 今年のテーマは‘脱建築 ’。このテーマに決まったのは、建物を技術でしか評価しない建築学科の授業に違和感を持ったのがきっかけだと言う。「建築とは、建物を建てるという目的ではなく、あくまで環境を改善するための方法。そのためには多角的な視野を持つことが必要だと感じた」と小川さんは話す。そのため、審査を務めるゲストには、建築家だけでなく、音楽家や、経済学者も招いた。住民の心理や、建物の必要性などを突く講評に、小川さんは「建築は公共性が大きい問題。ただ建物を作るだけではなく、もっとその生活に必要なものは何かを追求するべきだと感じた。」と振り返った。?

 同じ学部であっても、違う大学の学生同士が意見を交わせる機会はほとんどない。小川さんは「この貴重な機会を大切にして、さらに発展し続けていってほしい 」と話した。

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