【コラム】「紙媒体」である理由 6・7月号入稿を終えて

6月15日、20歳になって初めて、編集長としては2回目の本紙入稿が始まった。「本紙入稿」とは、ニュースネットが年5回発行する新聞を専用ソフトで作ることを指す。これは、書いた記事をそのままペーストするだけの作業ではない。紙媒体ゆえに文字数が制約され、レイアウトを考えないといけない。ホームページ上で記事を書くよりもはるかに骨の折れる作業なのだ。今回は最新号の宣伝も兼ね、デジタル時代に「紙媒体」を作る団体のある部員の気持ちをつづりたいと思う。【6月25日 神戸大NEWSNET=UNN】
前述の通り、ニュースネットの新聞は発行が年5回だけであり、普段はインターネット上で記事を発信している。そのため、自分の記事が紙として実体化する本紙発行に、部員がかける思いは相当のものである。特に編集長である私は、小心者なこともあって毎回大きな責任を感じつつ、専用のソフトを起動させている。その分、記事が出来上がれば大きな充足感があり、学内で本紙が読まれているのを目にすれば、感想を聞きに行きたくなるほど嬉しくなる。

だが近年「紙媒体」は、誰の目から見ても需要が下火になっている。情報は、新聞よりもはるかに早くネットから手に入り、ネットに抵抗を持つ人も、タブレット端末などの発達でデジタル新聞、ネット書籍といった、「紙媒体スタイルのデジタル文書」を読めるようになった。有名な一般紙でさえ発行部数を保つのに苦労しているという話をきく今、一大学の学生新聞を多くの人に読んでもらおうとするのは、至難の業なのかもしれない。

しかし、こうして紙媒体の需要が衰えているからこそ、「作る側」はより一層の工夫や努力をするものだ。ニュースネットでも、限られたスペース内でできる限りホームページとは違う、より深く検証や調査を行った記事を書くようにしている。特に2012年度は部員数も増え、意識的に調査記事を増やそうという方針が決まった。ホームページの記事にない発見、驚き、関心が本紙にはあると信じたい。

また、1枚の完成した新聞の面には、記者のみならずレイアウターの思いも込められている。学生新聞、一般紙の区別なく、新聞は1つの造形作品と言えるだろう。というのも、私も入部するまで知りもしなかったが、実は新聞のレイアウトには多くの禁則事項がある。1つの面に複数のニュースが並ぶため、読者が自然な目線運びで読めて、記事の区切れがわかるような配置を心がけないといけないのだ。プロでない学生新聞の部員にとって、これがなかなか難しく、全禁則事項が防げているのか判断するだけでも一苦労なのである。読者の方にはぜひ「ああ、もしかしたらこの線はこういう意図でわざわざ引いたのかな」など、記事の裏に隠れるレイアウトの真意も「読んで」もらえれば嬉しい。

ニュースネット最新号の6・7月号は明日発行。1面には前述の調査記事を、8面には神戸大に誇りを持てるような運動部の学生の雄姿を掲載しています。ぜひ手に取ってご一読ください。

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