2日に都賀川公園で開かれた「灘チャレンジ」では、社会問題を題材にした寸劇が2年ぶりに復活。出演した同祭実行委員らが、震災の記憶を継承する重要性を訴えた。
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今年の寸劇は「震災は生きている」がテーマ。震災後に生まれた神戸大生が「神戸学」の授業で震災経験者に話を聞く課題に取り組む内容。最初は面倒に思っていた学生も、当時の体験を聞くにつれて真剣になっていく。
劇中、避難所で食料が手に入りにくかったことや、多くの人々が助け合って避難生活を乗り切ったことなどを紹介。実行委が所属する学内のボランティア団体「学生震災救援隊」は、昨年末から今年1月に高羽町などで街を歩く人に震災の経験をインタビューしており、その内容を寸劇にも取り入れた。
劇の締めくくりには学生役が「その時生まれていなかったから何も知らなくていいわけではない。自分たちのためにも震災を学ぶ必要がある」と呼び掛けた。
企画、脚本を担当した実行委員の江藤恒夫さん(工・3年)は家族が被災している。取材に「日常会話で『あの時……』と話すほど、神戸は震災の記憶を持っている。歴史や教科書の話として捉えてほしくない」と意図を説明。終演後のあいさつでは声を詰まらせながら観覧への感謝を述べ、客席から拍手が上がった。
劇を見た灘区の40代女性は六甲道で被災しており「たびたび灘チャレンジには訪れていたが、元々震災の復興祭だったとは知らなかった。(実行委員が)震災を知らない世代と聞いてハッとした。震災を伝えることは大事」と話した。
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