2011年の流行語大賞候補にもノミネートされた「終活」は、介護、葬儀、遺言といった人間の最期のあり方について考え、準備を円滑にする活動だ。神戸市灘区の災害復興住宅で支援活動をするN.A.C.の学生らは、高齢の住民に死が身近に迫っていることから終活に興味を持つようになった。自分の祖父母や両親もいつ同じ状況になるか分からない。若者と縁遠いようで近いテーマについて知ってもらおうと開催が決まった。
終活カウンセラーの竹裏由佳さんは講演で「終活は死のイメージが強いが、本当は自分の将来をよりよく生きるためのもの」と強調した。介護殺人などが社会問題化する現代、老後を含めた未来への備えが自分や介護をする身内の負担を減らし、最期まで生き甲斐を持ち続けることにつながるという。
こうした終活に必須なのが、エンディングノート。現在の自分の家系や財産について振り返り、老後にやりたいこと、介護や葬儀の希望などを記録するものだ。「自分整理」をすることで将来像が描け、記録に残すことで身内に伝えることができる。「今の自分を整理して未来につなげる点は就活にも通じること。また自分が介護の当事者になることも考え、家族にもエンディングノートを勧めてほしい」と竹裏さんは語った。
N.A.Cメンバーの望月健司さん(文・4年)は「終活という言葉が何故トレンドとなっているかが分かった。支援活動で接する高齢者にも関わること」と話した。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。