時代は昭和、場所は長崎にある民宿「あいかわ」。夕は「あいかわ」の次男坊・元弥にずっと恋心を抱いていたが、元弥は夕の親友である薫のことが好き。自分は妹としか見られていないと思い、夕は気持ちを伝えられずにいた。やがて、夕は仕事のため外国へ行くこととなり、2人は離れ離れになる。数年後、元弥の葬式のため帰国した夕は周りから、病床に臥してから元弥がどれだけ自分のことを思っていたか聞かされる。そして、その思いの象徴である夕顔が辺り一面に咲き誇っているのを見た夕は、遺骨の前で言えずじまいだった気持ちをやっと打ち明ける。複雑に絡み合う人間関係がテーマの本作品。どこか懐かしさを感じさせる舞台美術や、長崎弁での日常のコミカルな掛け合いは会場を大い に盛り上げた。
「大好きな作品を、大好きなメンバーと卒業公演で演じることができてよかった」と演出兼主役の飯嶋松之助さん(経営・4年)は話す。飯嶋さんが演劇を観て初めて泣いたのがこの作品。ラストのシーンは特に力を入れたという。その甲斐あってか、友達に誘われなんとなく来たという女子学生は「最後の夕顔のシーンで表現しがたい気持ちがこみあげてきた。来てよかった」と興奮ぎみに話してくれた。
カーテンコールが3回も行われた本公演。卒業生だけでなく出演していた後輩も涙ぐみ、見に来た男子学生も「カーテンコールまで涙が止まらなかった」と 話すように、部員にも観客にも卒業生の感謝の気持ちは伝わったようだ。
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