高度経済成長後の日本が舞台の作品。戦時中に手違いで徴兵されず「戦争を知らぬ者」と白い目で見られてきた主人公のもとに、30年遅れの召集令状が届いた。軍服生活への憧れを抱く主人公と、現地の実態を赤裸々に語る元軍人らの軽妙な掛け合いが中心のストーリー。コメディ調ながら時より「従軍慰安婦」などドキッとする台詞も飛び交う。当時のお父さん世代にとっての戦争を描いた風刺作品だ。
ピア忠さんが作品の台本を読んだのは1年生の時。台詞の掛け合いの難しさから「上演は無理」と思ったという。しかし演出経験を積み、世間でも歴史問題が騒がれるなか「エンタメとしてやるなら今年しかない」と決意した。部内で8人のメンバーを募り、自らは演出と役者を兼任する大車輪の活躍。劇中のマイクパフォーマンスや観客席への語りかけなど、工夫ある演出が光った。
「初めて観客と触れ合えたかもしれない」とピア忠さん。残り少ない学生演劇生活に刺激を与える「オマケ公演」だった。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。