◎人のつながりを大切に 灘チャレンジ2015

 神戸大生らが地域住民と共同で運営する祭り「灘チャレンジ2015」が7日、都賀川公園(神戸市灘区)で開催された。地域で活動する団体が数多く出店したほか、ステージイベントも行われ、親子連れを中心にたくさんの来場者でにぎわった。

 灘チャレンジは1995年に阪神・淡路大震災の復興祭として始まり、地域の人々の交流の場として定着している。21回目となる今年のキャッチコピーは「明日の友達がここにいる」。人と人とのつながりを大切にしたいという思いが込められている。

 毎年恒例の実行委員による寸劇は、孤独死がテーマ。阪神・淡路大震災の被災者が多く住む復興住宅で一人寂しく暮らしていた主人公が、お茶会の誘いを受けたことをきっかけに人とのつながりを得るという物語だ。脚本を書いた齊藤寛之さん(発達・2年)は「友達が欲しいと思っている人でも、環境の変化が続くと友達を作る気力がなくなってしまう。孤独死を生む環境を減らしていきたい」と語った。

 模擬店スペースには約30の店が並んだ。このうち、兵庫県多可町で地域活性化のための活動をしている神戸大生らの団体「木の家」は、鹿肉料理を販売した。売れ行きが良く、例年より早い時間帯で完売したという。スタッフは「(大学周辺の)地域の方に活動を知ってもらう機会は灘チャレンジくらいしかない。活動に興味を持つお客さんが多くてよかった」と手ごたえを感じていた。

 地域で活動する団体も出店した。「7月28日を『子どもの命を守る日』に」実行委員会は、2008年に都賀川で起きた水難事故の犠牲者遺族の知人らが結成。実行委員長の谷口美保子さんは「子どもたちの命を守るためにどんなことができるのか、地域でずっと考えていきたい」と話す。店では犠牲者を追悼するための折り鶴を募集。多くの子どもたちが色とりどりの折り紙で鶴を折っていた。

 ステージでの催しも盛況だった。神戸大落語研究会の可愛家ばれるさん(法・2年)は『青菜』を披露。屋外での公演だったため、小声でひきつけるところを削るなどの工夫をこらした。「普段は老人ホームなどでやっているので客層が全然違った。通りがかりで理解してもらうためにはどうしたらいいかさらに考えたい」と高座を振り返った。観客の男性は「声が通っていてしっかりしていた」と感想を述べた。

 祭りの終盤にはビンゴ大会が行われた。「灘チャdeビンゴ」の掛け声とともに当たりの番号が発表されると、来場者たちは歓声を上げたり、ため息をついたりしていた。1等の「オテル・ド・摩耶」ペア宿泊券を獲得した女性は「毎年来ているが当たったことが無かった。とてもうれしい。(ホテルには)お友達と行きたい」とうれしそうに話した。

 実行委員長の河野茉悠子さん(法・3年)は「運営するなかで様々な人々と知り合うことができて、思っていた以上に輪が広がった。祭りを通していろんな団体の方を知ることで、活動を知るきっかけになれば」と振り返った。

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