首都圏での神戸大のPRを目的としたイベント「神戸大学のミリョク」が27日、秋葉原UDXカンファレンス(東京都千代田区)で開催された。今年で4回目を迎え、高校生や保護者らおよそ70人が東日本各地から来場。第一線で活躍する研究者の講演や、現役の神戸大生による学生生活の紹介に耳を傾けた。
イベントでは、人文学研究科の油井清光教授が日本のサブカルチャーについて講演した。日本の文化産業が世界で存在感を増す中で、サブカルチャー研究が以前より重要になっていると主張。2010年に国際的な研究会が立ち上げられたことを例に、この分野での神戸大の取り組みを紹介した。
理学研究科の荒川政彦教授は、小惑星探査機「はやぶさ2」を利用した研究について、具体的な実験の中身に触れながら説明。来場者は高度な内容にも関わらず熱心に話を聞いていた。埼玉県から来た女子高校生は「はやぶさ2の取り組みに興味があったので、難しい話だったが聞けてよかった」と感想を述べた。
会場では、気象などのデータを立体映像として 可視化するシステムも紹介された。観客は3Dめがねを着用し、津波や積乱雲の動きを再現したCG映像を鑑賞した。映像の製作には最長で半年かかったものもあったが、計算科学教育センターの目野大輔助教は「将来的にはデータをリアルタイムで可視化することもできるようになると思う」と展望を語った。
現役の神戸大生も登壇。2月から活動を始めた学生広報ボランティアの中塚万智さん(農・博士前期課程)と高沢祥平さん(経営・3年)による大学紹介では、学習環境や就職率の高さといった神戸大の魅力が、神戸の街の特色にも触れつつアピールされた。工学研究科・博士前期課程の上田健太郎さんと椿健太郎さんは、自らが製作した募金箱についてプレゼンテーション。硬貨や紙幣が投入されるとセンサーが感知して箱のイルミネーションが変化する仕組みで、来場者の関心を集めた。
広報課の担当者によると事前に来場を申し込んだ人の来場率は昨年より上がっていて、首都圏のみならず福島や札幌からの来場もあった。武田廣学長は「神戸大には一日では伝えられない魅力がある。残りの魅力はぜひ神戸に来て味わって頂きたい」と来場者に呼びかけた。
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