◎コラボで魅了 不思議な会話劇 じげ×はち秋のプロデュース公演

 演劇部自由劇場と演劇研究会はちの巣座がコラボした、秋のプロデュース公演『恋愛戯曲』(原作=鴻上尚史、演出=上野功騎)が10月30日から11月1日にかけて、シアター300(鶴甲第1キャンパス)で行われた。出演者らは、普段別々の団体で活動していると感じさせないような、絶妙なコンビネーションで独特な会話劇を演じきった。

 かつて恋愛ドラマの女王と呼ばれたが、今はスランプに陥っている脚本家・谷山真由美。彼女は家に訪れた若手プロデューサー・向井に脚本を完成させるため、「私と恋に落ちてちょうだい」と要求する。向井は戸惑うが、谷山のマネージャー・寺田に乗せられ了承し、谷山の執筆は順調に進みだす。そこに郵便局を襲撃したという男女2人組が家に乱入し、自分たちを脚本に登場させろと脅迫する。執筆のためなら何でもする谷山に向井は翻弄されつつも、ひそかに恋心を抱く。しかし向井が現れたことも強盗が乱入してきたことも、ある人物の思惑があった。現実・劇中劇・劇中劇の劇中劇と、3つの世界がめまぐるしく入れ替わる本作品。それぞれの世界を同じ出演者が演じ分けた。

 演出兼寺田役の上野功騎さん(発達・3年)は、「3つの世界の違いを演出することに力を入れ、あえてプロが演じた『恋愛戯曲』を見ずに(自分たちが)やりたいことをやった」と振り返る。自由劇場とはちの巣座で演出からけいこの仕方まで多くの相違点がある上に、今まで関わりがなかった人と劇を作り上げなければならない。「間の取り方やスピードも全然違う。やり方が違うのは刺激になった」とはちの巣からの唯一の出演者で向井役の前田直人さん(農・3年)は語る。

 はちの巣座が得意とする会話劇に、音響など自由劇場ならではの演出がうまく合致し、約140分の上演時間中観客の心をつかんで離さなかった。千秋楽見に来た神戸市在住の女性は「すごくエネルギーを感じた。若さがあふれていて普通のお芝居よりも面白い」と感想を述べた。

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