【7月号掲載】命の大切さ訴える 震災犠牲学生の父

 総合教養科目「阪神・淡路大震災B」の講義が6月19日にあり、阪神・淡路大震災で神戸大生だった上野志乃さん=当時(発達・2年)=を亡くした父、政志さんが自身の体験を通して命の大切さを語った。
 志乃さんは当時、神戸市灘区琵琶町で一人暮らしをしており、震災で崩れた自宅アパートの下敷きになった。

 講義では、志乃さんの生い立ちから地震発生時の状況、検視場や避難所の様子など、写真を見せながら振り返った。政志さんは「娘の名前は神戸大や東遊園地にある慰霊碑に刻まれており、永久に残るだろう。しかし、親としてはそれでも生きていてほしかった」と志乃さんについて語り、生きることの大切さを学生に説いた。

 受講した国際人間科学部1年の女子学生は「小学生の頃一つ上の先輩を亡くしたので、講義に同感した。感慨深い授業だった」と話した。    

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