◎1.17のつどい 25年続く祈り

 阪神・淡路大震災の追悼行事「1・17のつどい」が17日、東遊園地(中央区)で開かれた。25回目の今年は会場に竹灯籠が「きざむ 1・17」という文字の形に並べられ、参加者は5時ごろから竹灯籠に火をともした。

 地震が発生した5時46分、参加者による黙とうがささげられた。灯籠には「絆」や「結」などのさまざまなメッセージが書き込まれ、黙とうの後も参加者は何度も火をつもしつづけた。

 宝塚市から来た関西大大学院に通う平川達也さんは、受講している授業の講師の影響で参加した。講師は神戸大の卒業生で、阪神・淡路大震災の被災者だった。震災当時、平川さんは1歳で、記憶はないが「被災者の記憶を少しでも周りに話せるように、伝えていくことが自分の役割だ」と語った。

 西区から訪れた山本年文さん(50)は中央区で被災し、震災で亡くなった近所の人々をしのび、つどいに参加した。「震災から25年たち、人生の半分になったので、一つの区切りのように感じる」と話す。震災を経験していない世代に対して「1年に1日、1月17日はテレビを見るでもなんでもいいので、震災のことを思い出してほしい」と語った。

 沖縄県石垣島から来た豊田志津子さんは初めてつどいに参加した。「高校1年の時に被災し、つどいが開かれるようになってから、毎年足を運ぼうと思っていたが、当時を思い出して行けなかった」と言う。今年は25年の節目の年なので意を決して訪れた。参加者の多さに「『まだ忘れられていない』と救われた気持ちになった」と話した。

【来場者のコメント】

▽神戸市の大学3年の高木里緒さん
 つどいに参加するのは20回目。記憶にないが、幼い頃から家族で参加している。今年は(家族は)予定が合わず、1人で参加した。自分は震災を経験していないが、25年の節目の年を迎えて、次の世代に(震災の記憶を)継承していけたらいいと思う。

▽大阪府立大に通う陳大修平さん
 大学で被災地支援や地域防災を呼び掛けるボランティア活動をしている。防災の活動をしているのでつどいにはいつか来たいと思っていた。震災の記憶が風化してしまうのは仕方のないことだと思う。でも震災の教訓はいつまでも残っていかなければならない。だから教訓だけでも次の世代へと伝えていくことが大事だと思うし、自分もそうしていけたらいいなと思う。

▽神戸出身で大阪在住の河井浩志さん(57)
 参加は初めて。2019年、ルミナリエを見に来て、つどいに参加してみたいと思った。来てよかったと思う。 震災で祖母の妹を亡くした。タンスが倒れて脚が下敷きになったことが原因だった。当初、命に別状はないと言われていた。忙しくて見舞いに行けなかったが、行っておけばよかったと後悔している。 当時は仕事で新潟にいたが、夜行バスで神戸に来て土曜日と日曜日にボランティアをした。 「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉があるが、猛暑や台風などの被害が毎年出ていて、「天災は忘れぬうちにやってくる」時代になっている。だからこそ、今は次の災害に備える時代。災害が起きてから悲しんでいる場合ではないと思う。

▽北区から来た丸山隆三さん
 つどいへの参加は24回目。つどいの日は毎年、当時に気持ちが帰る日だ。当時に帰りたくなる日でもある。普段はなんとなく生きているが、つどいへ来ると「なんとなく生きてはいけない」と思う。

▽30代女性
 震災時は小学6年だった。友人を亡くした。(震災の)数日前まで一緒に遊んでいたが「またね」と別れたきり二度と会えなくなった。今日という節目の日まで前を向けず、現実に向き合えなかった。今日、改めて向かい合うことができた。

▽神戸市内から来た20代の女性
 つどいに参加するのは2回目。神戸市出身なので来場した。震災後に生まれた。知らないことがいっぱいあった。

▽関東出身の大学2年の女性?
 (阪神・淡路大震災から)25年という節目の年に関西の大学に通っていることには何か意味があるのだと思い参加した。竹燈籠に書かれているメッセージが一つ一つ違っているのが印象的だった。

▽神戸市内から来た男性(18)
 参加するのは今年で5回目。テレビでつどいの様子を見て参加を決めた。自分は震災を経験していないが、つどいに参加することで防災意識を高めることができる。日頃から災害時にすぐに避難できるよう防災訓練をしようと思う。現在仕事をしているが、仕事にも防災は生かせると思う。都合が合えば来年も参加したい。

▽大阪府羽曳野市のた中学教師
 教員みんなで学習の一環で参加した。ビデオを撮ってクラスで流し、生徒に震災のことを伝える震災学習をしようと思っている。自分の担当する学年は毎年やっている。震災を意識するきっかけになればと思う。

▽南日本新聞社の記者、高味潤也さん
 震災を経験していない世代に震災のことを伝えるには、体験者の言葉が重要だと思う。それをつないでいくことが震災を考えるきっかけになると思う。


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