震災を「ジブンゴト」に 大学生が1.17伝えるイベント

 阪神・淡路大震災以降に生まれた大学生が、震災ボランティアを通じて学んだことを発信するイベント「1.17→」(イッテンイチナナカラ)が三宮センター街で開かれ、1月19日には「1.17→」を構成する3つの学生団体のメンバーがこれまでの活動を通じて何を考えたのかを紹介するトークイベントが催された。〈森岡聖陽〉


(写真:パネルディスカッションをする学生たち。会場は満杯だった。 2020年1月19日午後4時ごろ、三宮センタープラザ西館大会議室)

 イベントは三宮センター街の大会議室で開かれ、中高年の市民から学生までの幅広い年齢層の約40人が参加した。
 第1部は神戸大学持続的災害復興プロジェクト「Konti」と神戸大槻橋研究室の院生ら、そして神戸芸術工科大の学生の3つの学生団体がそれぞれが普段行っている活動とその想いをプレゼンした。
 第2部では、パネルディスカッション形式でこれまでの活動や、今年の1月17日の動きなどをパネリストの学生たちは振り返った。

 被災者の記憶を頼りに震災前の街の様子を模型で再現する「失われた街プロジェクト」に参加した、神戸大槻橋研究室の今津寛治さん(工学研究科、24)は、自分が今やっていることの最終目標が分からなくなった時もあったという。
 それでも、「(私たちは)震災を学んでいってるところ。そして、後輩にも学んでいくように伝えていきたい」と活動を継いでいく想いを述べた。


(写真:「失われた街プロジェクト」について説明する神戸大槻橋研究室の今津寛治さん 2020年1月19日午後2時ごろ、三宮センタープラザ西館大会議室)

 「(震災を)継承していくやり方は時代に合わせて更新されていくものだ」と語ったのは、神戸大学持続的災害復興プロジェクトKonti代表の伊庭駿さん(工学研究科、23)。災害だけでなく戦争も継承しなければならないと話したうえで、「目の前の人が何を話してくれるのかを想像してリードしてあげることが大切。それはどこでもできることだから」と強い思いを言葉にした。


(写真:「神戸大学持続的災害復興プロジェクトKonti」代表の伊庭駿さん 2020年1月19日午後2時ごろ、三宮センタープラザ西館大会議室)

 イベントを終えて、主催者して参加していた神戸市耐震推進課の北麻鈴さんは、「体験をしていない状態で『自分事』にするのは難しいと思うけど、体験した人から話を聞くことは価値あることだと思うし、(神戸市が)機会を提供してそのことを知ってもらえたら」と、このイベントの意義を語った。

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