8月以降、神戸大学内の新型コロナウイルス新規感染者の発生情報が、学部別のホームページにしか掲載されていない。3月にドイツ旅行帰りの学生3人の感染が分かった時は、全学ホームページ上で詳細な経緯が掲載された。京大、阪大などは全学ホームページで感染者がまとめて発表されているが、なぜわかりやすいページで公にしないのか。<塚本光>
8月3日に工学研究科、6日に経営学部と相次いで新型コロナ感染者の発生が公表された。どちらも各学部独自のホームページにだけ掲載され、ニュースネット編集部では疑問の声が上がった。
4月6日にドイツ旅行帰りの学生3人の感染が発表された際には、全学ホームページ上で詳しく経緯が掲載されたのに、今回は、各学部や研究科のページに目立たない形で掲載されたからだ。
関西圏の大学では阪大、京大、関大、同志社大、立命館大などで全学向けのホームページで感染者がまとめて発表されている。
阪大では全学ホームページ内の「本学における感染状況について」という項目に、感染情報が判明した日付ごとにまとめて公表されている。
広報課に聞くと、3月にドイツ旅行に行った学生が感染発覚した際は複数人感染者が出たことと、自粛を要請していた海外渡航での感染だったこともあって記者会見を開く対応をとったため、全学向けのホームページで発表したという。
一方、8月に感染が発覚した2件に関しては、入構禁止が出ている中であり、工学研究科の学生は研究のため一度大学に来ていたが、マスクなど感染対策をしており滞在時間もわずかで、濃厚接触者はいなかった。
また、経営学部の学生は入構禁止措置の中で大学には来ていなかった。その後、大学での接触や感染は極めて可能性が低いと保健所から報告が来た。
これらの理由から今回は、「学部のホームページで感染者が出たことの報告と注意喚起を行うのみにいたった」という。
他大学では学内の感染の可能性がなくても、全学サイトに掲載している。
広報課によると、どのページに掲載するかは総務課の判断だという。
総務課に取材すると、「よその大学がどうこうということではない。大学としてもいろいろ検討した上で決めたこと。春とは状況が違う」という答えが返ってきた。
(画像:阪大の全学ホームページ。感染判明例が発表日の順に掲載されている。)
(画像:阪大の感染判明例を報じるページをみると、学内に濃厚接触者がいない例でも掲載していることがわかる。)
各地の大学でクラスターが発生し、感染が学生にも迫っていることをひしひしと感じた7月、8月だったが、情報を一覧でキャッチできない掲載方法が最善と言えるのか。
コロナ禍のもとで、「ネット上で情報を、わかりやすく伝えるにはどうすればよいか」そのコミュニケーションの方法が問われている中で、神戸大の担当部局からは歯切れの良い答えは返ってこなかった。
(画像:4月に感染者の判明が発表された際の神戸大全学ホームページのスクリーンショット)
(画像:8月に感染者の判明が発表された際の神戸大工学研究科のホームページのスクリーンショット)
(画像:8月に感染者の判明が発表された際の神戸大経営学部のホームページのスクリーンショット)
(画像:京大の全学ホームページ。感染判明例がまとめて掲載されている。)
了
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