神戸大は、「涙で乳がんを検出する研究」への寄付を、クラウドファンディングサービス「READYFOR」で受け付けている。目標金額は1000万円で、期間は4月16日23時まで。「Tear Exo法」の臨床研究費に使用される。申し込み案内は https://readyfor.jp/projects/TearExo 。<副田隼矢>
(画像:「涙で乳がんを検出する!研究を加速させる一歩にご支援を」サイトから)
早期発見できれば90%が治るといわれている乳がん。 しかし年々死亡者数は増加しており、40代~50代女性のがん死亡原因の第1位になっている(2018年国立がん研究センター)。発見遅れの理由は、仕事で忙しい、子育てで忙しい、予約が取りにくい、検査が痛い、などとなっている。
Tear Exo法とは、涙を採取して最短10分で乳がんを検出する検査法。小さくて薄い短冊状のろ紙片を、目じりに置き、数分目をとじて涙をしみこませる。涙の中に含まれるがんのバイオマーカーであるエクソソームを、高感度かつ迅速に検出できる技術だ。痛みがなく簡便なため、この技術によって現在40%程度に低迷している乳がん検診の受診率向上と、術後の再発リスクの管理を目指している。
このクラウドファンディングは、1月20日(水)から4月16日23時まで実施。2月22日現在、71万36000円の寄附金が集まっている。
義母が乳がん全摘手術を受けたという、クラウドファンディング実行者の工学研究科応用化学専攻の竹内俊文教授は、呼びかけのコメントの中で、「治る病気で人が死ぬことに納得がいかない。多くの女性たちが不安に思っていることを実感し、私たちは単にがんを克服するという医療の問題というより一種の社会問題として捉えました」と述べている。
2021年には臨床研究の規模を拡大し、2022?23年度中に体外診断薬としての認可申請を目指している。
神戸大が日本最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営するREADYFOR株式会社と業務提携を締結し、「Tear Exo法」への支援が締結後第一号のクラウドファンディング。同社が業務提携を結んだ大学は、神戸大学が27校目。
《「涙で乳がんを検出する!研究を加速させる一歩にご支援を」》
●実行者=竹内俊文・神戸大工学研究科教授。
●目標金額=1000万円。
●形式=寄付型/All or Nothing 。
※All or Nothing形式とは、期間内に集まった寄附総額が目標金額に到達した場合にのみ、実行者が支援金を受け取ることができる仕組み。
●公開期間=2021年1月20日(水)~4月16日23時。
●資金使途=Tear Exo法臨床研究費(装置設置費、エクソソームセンシングチップ作製費など)。
●概要=乳がんの早期発見を増やすためには、検診精度と検査方法の改善が必要。40%程度に低迷している乳がん検診の受診率向上と、術後の再発リスクの管理を目指し、涙でがんを検出する「Tear Exo法」の臨床研究を加速させるためクラウドファンディングを通じて支援を募ります。
●案内サイト= https://readyfor.jp/projects/TearExo 。
了
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