医学科教授のコロナ対応を批判したツイート 論拠に事実誤認も

 1月末、神戸大医学部医学科生を名乗る人物による、学年末試験についての教授の対応に不満があるとしたコメントがネット上に拡散された。ある教授が試験を対面で強行しようとしていると告発する内容だが、その論拠となる「医学科で陽性者数が50人を超えている」、「陽性となった場合、学年末の試験を受けられず、留年が確定する」というコメント部分について、大学側の各部局はその事実を否定している。<本多真幸、塚本光、笠本菜々美、島袋舜也>


(画像:神戸大医学部医学科生を名乗る人物のコメントを拡散したツイート画面=左下部分=のスクリーンショット 画像を加工しています)

ネット上に拡散された、医学科生と名乗る人物のコメントの要旨は次の通り。

 ▽私は神戸大学医学部医学科に通う学生です。
 ▽神戸大学では現在大勢のクラスターが発生。6学年に100人ずつ在籍する中で陽性者は50人を超えていて、我々もいつ感染するかおびえながら過ごしている。
 ▽一人の教授が試験も対面にすると言い張り、その試験は来週(2月初旬)に行われる。
 ▽コロナに感染したことを大学に報告すると試験を受けられずに留年してしまいます。つまり学生達はもし感染しても黙って試験を受けに行くしか道はないのです。
 ▽多くの学生や親が抗議の電話をしましたが、学務科は申し訳ないの一点張りで話が通じない。

 そして、ネット上には「教授からの反論」とされる返信文のスクリーンショットがアップされた。

今回の医学科生と名乗る人物のコメントの事実関係で注目されたのは、次の2点だ。
▽神戸大の医学部医学科で新型コロナ陽性者数が50人を超えているのか。
▽新型コロナ陽性で学年末の試験を受けられなかった場合、追試などの配慮なしに留年という措置がとられるのか。
この2つのポイントについて、ニュースネット委員会では大学側に取材した。

 神戸大学医学部医学科の学務課教務学生係は、コロナ感染による定期試験の救済措置について、「コロナウイルスに感染しても、必ず追試などの救済措置を行う。感染したからといって、留年ということは決してない。」と回答し、コロナ感染による定期試験の救済措置はあると明言し、コメントの内容を否定した。

 また、教養科目の定期試験の救済措置について、神戸大学務部学務課の共通教育グループは「教養科目については、各担当講師に追試験などの救済措置を行うよう要請はしていない。追試験は原則行わないが、やむを得ない事情による場合は、追試験受験願を提出することにより認められることがある」とし、教養科目の定期試験においても救済措置を行う余地はあるとした。

 大学は毎週水曜日にその前週の学内の感染者数を大学サイトで発表している。担当している総務部広報課は、「全学部・学科カウントしている。先週の水曜日から今週の火曜日までに報告された分が、発表された数字である」とし、大学側が発表する感染者数は大学全体の感染者数であると答えた。また、感染者数の学部別内訳について、「医学部の数を確認しても、具体的な人数は言えないが、50人ということはない」とし、医学部で陽性者が50人だったというコメントの内容について否定した。

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