SDGs推進学生委員 推進室長・副学長にロードマップ提出

 5月10日、神戸大「学生環境会議」は、「環境会議ロードマップ」を喜多隆SDGs推進室長・副学長に提出した。2050年度のキャンパスゼロカーボン達成を目指し、今回は2030年までにCO2排出量を50%削減する計画を策定した。<笠本菜々美>

(写真:ロードマップをSDGs推進室長に提出する環境会議のメンバー。2023年5月10日、神戸大六甲台第2キャンパス産官学連携本部で)

 環境会議は、2021年2月22日に学生から「神戸大学における脱炭素推進に向けた提言」が提出されたことを受け、2021年4月に発足。2050年キャンパスゼロカーボンの達成を目的として、全キャンパスのカーボンニュートラルロードマップの作成を行っている。今回は、2030年のCO2排出量50%削減に向け、六甲台第1キャンパスを対象にして、中期計画を策定した。

 計画では、既存照明のLED化や空調設備の調整、また太陽光発電を導入した場合の、排出係数の低下効果を試算。2030年までに2019年度比で50%となるよう、二酸化炭素排出量削減を試みている。

(写真:環境会議の様子)

 会議に主として携わっている学生が、現代表の植山遥仁さん(法・4)、発足時からのメンバーで副代表を務める市村真紀さん(法学研究科・修士2)、武田眞人さん(法・4)、渡邊亜弥さん(法・3)だ。

 植山さんは、「ロードマップ作成にあたり苦労したのは、データの収集と分析でした」と話す。「学生の絵空事とならないよう、現実的な対策を提示するため、大学とメールで何度もやり取りしながら時間をかけて施設のデータを入手しました」。また武田さんは、「限られたデータから空調設備更新に関する算出をしました。機器の性能評価等で分からないことが多く、共同研究したSGEIS(地球環境と産業化研究会)さんに教わりながら何とかやり遂げました」と振り返る。

 今後について、「時間やデータの不足から六甲台第1キャンパスに絞ったロードマップを作成したが、今後は他のキャンパスにも広げていきたい」と植山さんは語る。

 渡邊さんは、「学生委員はそれぞれ興味のある将来の革新的な技術を調査している。洋上風力発電など、ゼロカーボン社会の実現に貢献可能な新技術についても学んでいるので、今後はロードマップ作成と並行してこれらの研究室とも共同研究を勧め、よりバリエーションのあるものができると良いと思う」と意気込んだ。

(写真:環境会議代表の植山さんが喜多推進室長・副学長にロードマップを受け渡す)

 神戸大生がそれぞれできることもある。武田さんは「学生は、環境問題を学ぶうちに、裾野の広さや視点の多さを知ることができると思います。現在勉強・研究していることや、就職後の業務と環境問題との関連を意識出来るようにしておくとよいと思います」とコメントした。また、植山さんは、「かつての自分のように、漠然と社会問題について関心がありながらも行動に移すことは難しいと思う。それでも自分のできる範囲で、みんなが環境に良い活動をやってみることが重要」と話した。

 環境会議には、同じく神戸大SDGs推進室が企画する「学生SDGs推進プログラム」に携わる学生も参加している。プログラムは神戸大生が主体的に企画・運営し、大学と企業、自治体、マスコミなどが支援して推進するもの。学生委員を随時募集している。

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「学生SDGs推進プログラム」 学生委員を募集 | 神戸大学NEWSNET委員会 (kobe-u-newsnet.com

関連サイト

▽「神戸大学×SDGs」公式サイト

http://www.sdgs.kobe-u.ac.jp/

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