フィギュアスケートのげんさんサマーカップの、男子FS(フリー)が8月13日に行われ、壷井達也(シスメックス所属、国人3年)が出場した。演技では、冒頭の4回転ジャンプは2本連続で転倒したが、その後の3回転ジャンプは立て直して、安定した演技を見せた。総合ではSPから順位を落として4位となる。壷井にとって悔しさが残る試合になった。<本多真幸>
8月11日から14日にかけて滋賀県大津市の木下カンセーアイスアリーナ(滋賀県立アイスアリーナ)で行われている、げんさんサマーカップで13日、選手権男子のフリーが行われた。11日のSP終了時点で3位の壷井達也は、フリーに駒を進めた24人中22人目で演技した。
楽曲はNathan LanierのHigh strung Torn Reduxで振付はMassimo Scaliさんが担当した。昨シーズンは初め右肩に脱臼し、その後の大会では4回転ジャンプでの転倒が続き苦労した。しかし、8月11日のSPでは、開始直後の4回転サルコウを無難に決め、その他の演技もノーミスと安定した演技。1位2位と約4点差で、逆転優勝の可能性は十分あった。
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しかし、13日にあった勝負のフリーでは、試合前の練習から、思い描くようなジャンプができなかったという。冒頭から2連続で4回転サルコウを計画していた中で、修正をかけようとしたが、両方ともうまく着地できず転倒し、大幅に減点される。序盤の演技を振り返って壷井は、「踏み込む前から、『跳べないかもしれない』という考えがよぎってしまった。ミスがでたことは悔しい。」と語った。
その後は他のジャンプで取り返そうと気持ちを切り替えた。コンビネーションを含めて5要素あった3回転ジャンプは、全てノーミス。足換えコンビネーションスピンでは最高評価のレベル4を受けた。
ジャンプを成功させるたびに客席から歓声と拍手がわき、演技終了後には観客の多くがスタンディングオベーションを送り、壷井も笑顔で応えた。
結果は、技術点(TES)が72.04、演技構成点(PCS)が73.53、減点は2で、合計143.57点でFS4位。23日のSP87.25点と合わせて総合230.82点で4位だった。壷井は、「ショートで良い得点を出せた分、フリーで自己ベスト更新すれば、総合得点で間違いなく自己ベストを出せる状況にいたので、それができなかったのがすごく悔しい」と語った。
フィギュアスケートの2023/24シーズンが本格的に始まっていくのは来月からだ。直近では9月28日から10月1日にかけて同会場で行われる近畿選手権大会と、現地時間10月20日から22日にかけてアメリカのアレンで行われる、グランプリシリーズのアメリカ大会がある。壷井は、「自分どんな状態にあっても(いい演技が)できるように、練習で自分を追い込んでいきたい」と前を向いた。
以下は試合後のインタビュー。
聞きて)改めて今回の演技の得点をつけるとしたら。
壷井)SPは90点、フリーは20点ぐらい。フリーはGPシリーズNHK杯の、(TBD枠派遣)選考会に向けて練習していて、4回転の(成功)確率も上がっていた中で、試合で決めきれなかったのはまだまだ練習が足りないと思いました。
聞きて)フリーのプログラムは去年と同じですが、去年と比べて滑りやすくなりましたか。
壷井)同じプログラムですが、振り付けを変えてもらった部分が多くて、自分の中では去年と同じとは思っておらず、また1からという感覚です。
聞きて)GPシリーズへの意気込みをお願いします。
壷井)去年は2大会に出場して5位と4位という結果だったので、今年は表彰台を目指したい。
聞きて)そのために克服、あるいはのばしたいところは。
壷井)試合になるとジャンプの方に集中しがちなんですけど、それ以外の部分に気を配れるぐらい、ジャンプの安定感を出して、総合力として、どこを切り取ってもすばらしいなと思える演技を目指したいです。
聞きて)今シーズン(2023―24シーズン)の目標は何でしょうか。
壷井)去年の目標であるショートで90点、フリーで170点を、まず超える。あとは、(ミスが続き9位に終わった)全日本選手権がすごく悔しかったので、去年以上の成績を残せるように頑張りたいと思います。
聞きて)昨年の日本選手権の後で、「オフシーズンには4回転トウループを練習したい」とおっしゃっていましたが、完成度はどうでしょうか。
壷井)5月、6月は、サルコーよりもトウループの方が状態はよかったぐらいです。ただ、足の裏の問題でトウを着くのが痛くて、練習が継続してできなかったというのがありました。この試合はサルコウ2本でやりましたけど、今は問題がないので、トウループもどこかでチャレンジしていけたらなって思います。
聞きて)ファンへのメッセージをお願いします。
壷井)いつも応援ありがとうございます。今日のフリーは満足いく演技ができなかったのですけど、これからもっと昨シーズン以上の高みを目指して、全力で練習して試合に向けて頑張るので、応援よろしくお願いします。
了
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