９月１日に開幕した関西学生アメリカンフットボールリーグのDiv.1（１部）で、神戸大の初戦が３日、ＭＫタクシーフィールドエキスポ（大阪府吹田市）で行われた。神戸大は強豪立命大を相手に、３度同点に追いつく粘りを見せたが、終盤で点差を広げられ２８－４２で敗北を喫した。第２節の京都大戦は、９月１７日（日）に神戸市灘区の王子スタジアムで行われる。＜尾畑陽貴、本多真幸＞

　初戦の対戦相手である立命大は、リーグ優勝１２回、甲子園ボウル優勝８回の実績を持つ強豪だ。甲子園ボウルへの足掛かりとするために、なんとしても初戦で白星スタートを切りたい神戸大だったが、試合は序盤は立命大優勢の展開となった。第１Ｑ、残り６分４５秒で立命大が先制のタッチダウンを決める（神戸大０－７立命大）。第２Ｑの序盤、神戸大はランプレーなどで着実にゲインを重ねるが、エンドライン目前のインターセプトで一転窮地に陥る。パントのキャッチミスも加わり、４分９秒で立命大のタッチダウンを許す（０－１４）。

　しかし、直後の神戸大のオフェンスから反撃が始まる。ＱＢ榮大志（国人３年）からＲＢ長尾涼平（海洋３年）へとパスが通ると、長尾はそのままエンドラインを駆け抜け、タッチダウンを決める（７－１４）。終了間際にもＲＢ田中碧（済３年）がディフェンスをすり抜け、再びタッチダウン。神戸大は同点に追いつく（１４－１４）。

　第３Ｑは立命大が突き放すも、神戸大が粘り強く食い下がる展開となった。残り９分で立命館の勝ち越しのタッチダウンを決めると、その１５秒後にＷＲ大高理玖（海事４年）が独走しタッチダウン。神戸大は再び点数を並べる（２１－２１）。

　残り７分ごろ、立命大は４本目のタッチダウンを決めるが、残り２分３０秒、ＲＢ長尾からのパスを受け取ったＴＥ奥村陽介（海政３年）がライン右側へと（２８－２８）。三度同点に追いついた神戸大だが、残り２０秒で５本目のタッチダウンを立命大に奪われ、これが決勝点となる（２８－３５）。

　第４Ｑは立命大に長い時間をかけてじりじりと押し込まれる時間が続き、神戸大は反撃の機会を奪われた。さらに１本のタッチダウンを許し（２８－４２）、残り１分３０秒ごろになって神戸大がやっとオフェンスに転じるが、残り０分、ロングパスが立命大にインターセプトされ、試合が決した。神戸大は中盤、幾度と追い縋る粘り強さを見せたが、強豪の前にあと一歩及ばなかった。

　日本一を目指す中で初戦を落とした神戸大だが、まだリーグ戦は始まったばかりだ。第２節の相手は、Div.1に所属するもう１つの国公立大学である京都大で、９月１７日（日）に神戸市灘区の王子スタジアムで行われる。

以下は主将と監督のコメント

白坂俊樹主将（国人４年）：「今日の試合の結果に悲観することは無いと思っていて、春シーズンや合宿、暑い練習で得たものは、絶対にこのフィールドで残せた。相手のスカウティングをして、強いプレーを仕掛けるといった対策が生きた場面もあった。自分たちのような愚直なチームが勝つのに不足している部分は何か、自分の中でもまとめきれていない。やはり勝ちたかった。次戦で戦う京大は、去年の秋と春に同じ負け方をしている相手だ。主力選手を仕留めることを第一に、立命大戦で出た良い部分を引き継いでいきたい。」

矢野川源監督：「うちが足りなかったものを挙げるとすれば、パントを落としたりインターセプトされたりするなど、プレーを決め切れなかった部分だと思う。しかし、去年はボロ負けを喫した相手に、今年は全然ゲームになる良い勝負をしてくれたので、今後も勝てるという前提で戦略を組むことができる。これから京大戦に向けてプレーの精度を高めていたい。」

《２０２３年関西学生アメリカンフットボールリーグDiv.1＠MKタクシーフィールドエキスポ》
神戸大０　１４　１４　０｜２８
立命大７　　７　２１　７｜４２

了