２０２２年に３年ぶりの対面開催を果たした六甲祭。今年は入場や飲食の制限がない「完全対面開催」を目指すが、財政難が深刻だ。資金調達のため、六甲祭実行委員会はクラウドファンディングを実施している。目標金額は１００万円で、期間は１０月３１日（火）まで。１０００円から支援が可能だ。＜川﨑成真＞

（画像：「関西最大規模の学園祭『六甲祭』を完全復活させたい！」サイトより　スクリーンショット）

　六甲祭は、毎年１１月中旬に開催される神戸大学の学園祭。実行委員会によれば、例年４万人もの来場者を誇る。新型コロナウイルスの影響で２０２０年度は開催がかなわず、２０２１年度はオンラインでの開催となっていたが、昨年度は規模を縮小し、３年ぶりの対面開催が実現した。今年度は入場制限を撤廃し、飲食を解禁した「完全対面開催」を目指す。
　しかし、昨年の規模縮小に伴う収入減やコロナ感染対策に伴う支出増加により、六甲祭は財政難に陥っている。そこで、実行委員会は運営資金の調達のためにこのプロジェクトを実施している。
　このクラウドファンディングは１０月３１日（火）まで実施される。目標金額は１００万円で、１０００円から支援が可能。９月３０日現在、７８人の支援者から６３万６０３１円が集まっている。集まった資金は、機材・レンタル物品費や実行委員企画費などに使用される予定だ。
　プロジェクトを支援すると、実行委員会からお礼のメールや手紙が送られる。また、支援金額によっては、六甲祭のマスコットキャラクター「六甲サイ」のオリジナルグッズや、立て看板・ネット上での名前掲載（ニックネーム可）などのリターンも用意されている。六甲祭プラン（６５３１円）では、１１月１１日（土）に行われる平祐奈さんの講演の中央前列の優先席チケットなどを入手できる。

（画像：「六甲サイ」のイラストステッカー。一部の支援プランのリターンとなっている。　実行委員会公式Xより）

【六甲祭クラウドファンディングサイト】＝関西最大規模の学園祭「六甲祭」を完全復活させたい！

　実行委員会によると、学園祭でクラウドファンディングを行った前例は、全国的に見てもあまりない。そのため、例年行っているステージ運営や企画と比べて参考資料がかなり少なく、サイト作成やリターン考案、効果的な情宣方法などを一から考える必要があり、苦労したという。特に情宣方法では、いかに多くの人にクラウドファンディングの実施を伝えることができるかを考案することが難しかったと担当者は語った。

　クラウドファンディングサイトには、既に多数の支援者から応援コメントが寄せられている。実行委員会の担当者は「六甲祭実行委員会のOBOGの方々による応援コメントには勇気づけられます。特に今の代とは直接関わりがない世代の方からご支援コメントを頂いた際には、このクラファンを成功させて六甲祭を繋いでいこうという気持ちが強まります。また、神戸大学卒業生の方からのコメントは神戸大学の縦の繋がりが意識され、一般の方からのコメントは多くの方にプロジェクトが届き、六甲祭への想いに共感して貰えていると改めて励まされます。」と、支援者からの激励を噛みしめた。

《六甲祭実行委員会クラウドファンディング「関西最大規模の学園祭『六甲祭』を完全復活させたい！」》
●実行者＝六甲祭実行委員会。
●目標金額＝１００万円。
●形式＝All-in方式。
※All-in方式とは、期間内に集まった支援金の金額が目標金額に達していなくてもプロジェクトとリターンを実行する方式。実行者は集まった支援金を全額受け取ることができる。
●公開期間＝２０２３年１０月３１日（火）まで。
●資金使途＝
▽機材・レンタル物品費　40万円。
▽実行委員企画費　25万円。
▽衛生環境費・警備費　5万円。
▽情報宣伝費　15万円。
▽CAMPFIRE手数料　支援金額の17％+税。
※目標金額以上の支援金が集まった場合には、来年度以降の運営費用に充てられる。
●クラウドファンディングサイト＝https://camp-fire.jp/projects/view/686916。
●六甲祭実行委員会公式X＝https://twitter.com/rokkosai。
●六甲祭公式サイト＝http://www.rokkosai-kobe-univ.site/。

了