神戸大学学生震災救援隊 能登半島での活動を報告

 2月16日、神戸大学学生震災救援隊は「石川県七尾市・輪島市活動報告会」をzoomで開催。1月20、21日に能登半島でおこなったボランティア活動について報告し、現地で感じたことや、これからの活動方針を説明した。<尾畑陽貴>

 震災救援隊の報告会には、他大のボランティア団体に所属する学生や災害対策に関心をもつ社会人など計18名が参加して被災地でのボランティア体験に耳を傾けた。

 被災地である石川県の七尾市と輪島市を訪れた救援隊は、現地の人のニーズ把握もかねて、避難所で足湯やマッサージを提供しながら話を聞いた。鈴木蒼生さん(法・2)は「この足湯は被災者の人々にリラックスした空間でお話しすることで、被災者の方々が抱えているモヤモヤを聞き取ることを目的としている。自分たちは被災した側ではないのでどうやって話始めたらよいか、コミュニケーションに難しさを感じる場面もあったが、それでも少しずつ被災者の方々からお話を聞くことができたのではないかなと思う」と説明した。

(写真:報告会のスライド。写真は足湯で話を聞く救援隊の様子)

 救援活動2日目、輪島市を訪れたメンバーは、被災者の一人・藤本さん宅の清掃活動にあたった。藤本さんは糖尿病を患いながら母親の介護をおこなっており、震災以前から自宅の整理・清掃に課題を抱えていた。震災でさらに家財やごみが散乱し、寝る場所の確保も難しい状況になってしまい、救援隊に助けを求めたという。清掃作業にあたった山田悠人さんは、「若い僕たちでも分別とごみの運搬に半日以上かかった。出たごみの量も20袋以上にのぼり、とても骨の折れる作業だった。藤本さんのお宅に限らず、このような仕事をお年寄りだけで行うのはとても大変なことだと思う。高齢化が進む被災地では若い人たちの継続的な支援が必要だと感じた」と語っている。

(写真:報告会スライド。写真は藤本さん宅での清掃活動のようす)

 救援隊は2月10日から12日にかけても現地に赴き、家屋の片付け作業を手伝っている。家屋の片付けの他にも、避難者のメンタルケア、支援物資の受け取りやごみの仕分けといった事項が被災地のニーズになっていることを踏まえ、3月以降もNGOや大阪大学の学生団体と連携を取りながら支援活動をおこなっていくという。

 西畑克俊(工・3)さんは、SNSの情報と被災地の現状を比較して、「人手は足りている」「ボランティアが渋滞の原因になる」という言説に疑問を投げかけた。西畑さんは「七尾市から輪島まで行く道は、海側、山側の道がダメで真ん中の道しか使えないという状況だったが、ボランティアの車で渋滞が引き起こされるまでには至っていない。むしろ、被災者が他の被災者の手伝いをしなければならないなど人手不足が深刻な状況である。『人が来ないでほしい』と言っていることが、逆に被災者を苦しめている状況になっているのかなと思った」と話している。

(写真:zoomのスクリーンショット。報告会の参加者たち)

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