名誉教授の五百旗頭真さん死去 執務中に倒れる

 神戸大名誉教授の政治学者の五百旗頭真(いおきべ・まこと)さんが、3月6日午後、急性大動脈解離のため亡くなった。80歳だった。近代日本政治外交史が専門。

亡くなった五百旗頭真さん。(ひょうご震災記念21世紀研究機構サイトから)

 3月6日午後、五百旗頭さんが理事長を務めている「ひょうご震災記念21世紀研究機構」での執務中に体調不良を訴え、救急搬送された病院で亡くなった。

 3月7日14時の読売新聞オンラインは、「同機構によると、五百旗頭さんはオンライン会議を終えた6日14時半頃、執務室に戻って気分不良を訴え、そのまま意識を失った。救急搬送後の16時51分に亡くなった」と報じている。

 神戸大教授の五百旗頭真治郎氏の息子として生まれた。1967年、京大法学部卒、1969年同大法学研究科修士課程終了。広島大政治経済学部助教授、米ハーバード大客員研究員を経て1981年から2006年7月まで神戸大法学部教授。

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災では、西宮市内の自宅が全壊し、卒業間際のゼミ生を亡くし、深い悲しみに包まれたという。

 阪神・淡路大震災の発生後、復興に向けた社会への提言を続け、2012年からは公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構の理事長を務めていた。

 2006年に神戸大を退官後、防衛大学校長、2018年から兵庫県公立大学法人理事長などを歴任。

 2011年には東日本大震災復興構想会議議長、翌年から復興推進委員会委員長を務めるなど、災害復興や外交、防衛でさまざまな提言を行ってきた。

 2025年の阪神・淡路大震災30年を前にしての、突然の死だった。

「今日午後、打ち合わせの予定だったのに」 社会科学系同窓会事務局

 神戸大学社会科学系5部局の同窓会「凌霜会(りょうそうかい)」では、4月13日にポートピアホテルで行われる設立100周年記念式典の記念講演に五百旗頭さんを招く予定だった。

 ニュースが流れた3月7日午後には、岸本晴夫専務理事が五百旗頭さんと打ち合わせをする予定だったという。

 朝日新聞の報道で対応を始めようとしたなか、午前9時過ぎに、ひょうご震災記念21世紀研究機構の担当者から、「今日の打ち合わせをキャンセルしてほしい」と同会事務局に連絡があったという。岸本さんは記念式典の実行委員と、式典のプログラムをどう組むか、連絡や打ち合わせに追われていた。

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