タッチフット部、30周年記念式典 決意新たに日本一へ

 3月3日、六甲第一キャンパスレストランさくらで、神戸大タッチフット部「Rooks」の創部30周年記念式典が開かれた。現役部員やOG、関係者らが参加し、互いの親睦を深めた。また、これまでのRooksの歴史を振り返り、さらなるRooksの発展を胸に新年度をスタートさせた。<蔦旺太朗、尾畑陽貴>

 (写真:集合写真)

 開会挨拶では、顧問の秋元忍准教授がOGの方々に日々の支援の感謝を示すとともに、「始まりは小さな部活だった。私たちの成功の裏には、プレイヤーの皆さんの努力の積み重ねがあるんじゃないかなと思います。同時にコーチやスタッフの皆さん、そして多くの皆さんからのご支援も欠かせないものでありました。選手を支えてくれる皆さんの情熱と献身がチームを常に前進させる原動力になったのだと思います。私たちは1つのチームですが、もはや1つのスポーツチーム以上のものかもしれません。30年にわたって築かれた絆を改めて確認し、これからも挑戦を続け、高みをめざしていくという誓いを新たにする機会となることと思います。これからも皆様のご支援を胸にROOKSはさらなる努力を続けていきたい。」とRooksの固い絆について語った。

(写真:秋元忍准教授)

 OB・OG会連合会初代会長の新垣恒則氏は連合会を代表して祝辞をのべて、「Rooksは約50ある体育会の中では比較的新しい部活になるが、全国大会で何回も優勝している。この記録は、ROOKSが最高記録ではないかと思います。女子タッチフットボールに関心を持ったのは、99年に関西で優勝、全国大会で優勝、さらに翌年さくらボウルで実業団に勝利し真の日本一になられたというニュースを聴いたときで、『なんで国立の体育会がそこまでいけるのか』と印象に残りました。」とRooksのこれまでの功績を称えた。続けて「全国大会で勝ち上がるという成績は、他の体育会にとっては励みになります。全国の大学で体育会系の部活の部員が減ってきていますし、単独大学だけで試合に出られないような状態になって合同チームを作らざるを得ないことになっている大学もあります。部員を増大してさらに強くなっていただきたいと思います。RooksのOG会の皆様にも協力を得ていまして、神戸大学の体育会と連合会も活動が順調に伸びてきていますので、これからも我々は協力していきたいと思っております。さくらボウルで優勝し、真の日本一を目指していただきたい」と激励の言葉を述べた。

(写真:新垣恒則会長)

 前顧問である神戸大名誉教授平川和文氏は創部当初を振り返り「私は創部から関わっておりまして、ちょうど30年前に1期生たちが私の研究室に来て、『女子タッチフット部をつくりたい。ぜひ先生に顧問になってほしい』と依頼されました。当時私はレイバンズにも関わっており、顧問になることで皆さんのやりたいことができてうまくいけばいいなと思い、引き受けさせてもらうと返事をしました。長い間部室がなく、練習場もなく、日に日に転々としながら練習していたが、今は安定した強いチームとなり、さくらボウル9回優勝、そのうちに5連覇も果たしました。さくらボウルで優勝したとき、胴上げをされて、応援団総部が学歌を歌ってくれるという、二度とない良い経験をしました。」とRooksの思い出を語った。また、「どこのチームもそうだが、経験者がいない0からのスタート。(私立大学などに比べて)あまりトレーニング環境に恵まれていない神戸大で、本当に良く考えて、良いチームを作ったと思います。Rooksの良い点は、同年代の横のつながりだけでなくOGたちとの縦のつながりも30年続いているところです。今でも必ずOGが3,4人コーチとして仕事の合間を縫ってついています。これからのRooksは大きなシンボルのチームとなり、見本となって他の体育会の部活を導いてほしい。武庫川女子と切磋琢磨して、さらに女子タッチフットボールを広めてほしい。」と話した。

(写真:平川和文名誉教授)

 武庫川女子代表による乾杯の挨拶では「もちろん個人の技術、戦術が素晴らしいのはもちろんですが、チームとしての一体感がすごいと感じている。1つのプレーにみんなで喜び、悔しがり、みんなで励ましあいながら試合に臨んでおり、とにかく雰囲気が良くて素敵だなと思います。もちろんそれを支える応援団の方々やベンチからの応援、ROOKSファミリーが一体となった試合に、フィールドを挟んだ反対側にいる立場としては、毎回とてもプレッシャーに感じています。人柄もよく、タッチフットのプレーだけでなく人間形成にも成長の実りがある場なんだなと思って見させていただいています。タッチフットを牽引する立場として、皆の目標となるチームとして活躍されることをお祈りしております。」と述べられた。

会場ではこれまでのRooksを振り返った映像が流され、来場者は過去の試合のハイライトを見て懐かしんだ。

 コーチになって24年になるという今岡俊吾コーチは、支えてくれた大学関係者、関西タッチフットボール連盟に感謝の意を示し、「1995年に阪神・淡路大震災があって、ちょうどそのころにレイバンズにいたんですけれども、被災しまして、その後に縁があってタッチフットに関わる機会を持たせていただきました。とにかくずっと結果を出したいと、毎年思ってやっていました。30年間の内に9回優勝していますが、21回優勝を逃しています。そういった意味では、1年1年選手と一緒にやって『今年こそ勝つぞ』と思って負けた後は脱力感があって、『どうしようか、もう1年やるのか、次やめるのかな』と常に思ってやってまいりました。その積み重ねの結果として30年間ROOKSが続いたということは感慨深いし、ある意味奇跡だと思っています。」

 また、Rooksの部員に対しては「タッチフットのみならずいろんなことを経験して、社会に出て活躍してくれればいいなと思います。コーチをするうえで選手が主役ということを肝に銘じてやっていました。そして選手から学ぶことがいっぱいあります。」と話した。

(写真:今岡俊吾コーチ)

 今岡コーチはインタビューで「Rooksの発足が94年で、翌年の95年からコーチをしている。学生は4年で入れ替わるので、そこからつなげていけるように毎年努力している。それをずっとやってきたら今まで続いてきたという感覚。タッチフットはマイナーなスポーツで、まずは知ってもらう必要がある。だから選手は勧誘をすごく大事にしている。もちろん厳しさもあるが、やりがいとや楽しさを感じてほしい。」と話した。

 また、Rooksの強さの秘訣について、「常にキャプテンが三回生で、三回生が主体でやっている。そして4回生はマネジメントを経験して、選手としてだけでなくコーチとしても役割を担ってもらう。他の部活にはあまりないが、これはずっとやっていることだ。ノウハウをつなげていくために3回生は幹部の仕事を4年生に教えてもらう。また、当然短期的な目の前の勝利も追うが、努力が続いていくということが大事なので、長期的にも強くなっていくことを大きな目標としている。これからのROOKS 人と人のぶつかり合いで本気で話しあわなきゃいけない。そういう機会を多く設ける。真に腹を割った話愛をしてつなげられるように努力していってほしい」と話した。

 神戸大から感謝状を授与されたことについては「感謝状をいただいた嬉しさというよりも、功績が評価されたことより、タッチフットを知ってもらえるようになることがうれしい。タッチフットがあるから神戸大に来たという人が入部してくれたらうれしいですね。」と語った。

 現役挨拶では牛島主将が「OGの皆様や関係者の皆様と本当に多くのつながりを感じることができる1年になりました。現役として3年ぶりに東西王座に出場することができて、貴重な経験ができたのですが、やはり日本一の壁をすごく感じました。今年も日本一を目標に掲げていて、チームとして『aggressive』というスローガンを掲げて活動していきます。30年の歴史と良き伝統を守りつつ、これからも現役一同頑張って日本一になって輝く姿を皆様にお見せできるように頑張っていきたいと思います。試合や練習に足を運んでいただいて、熱いご指導をいただければと思います。今後とも、温かいご支援、ご声援のほどよろしくお願いします。」と話した。

(写真:牛島主将)

北山菜生ヘッドコーチは来賓に日々の感謝を述べ、「30年間Rooksが存続できたことは、ひとえに来賓の皆様のお力添えがあったからだと思っております。Rooksの絆というものを感じて、うれしく思います。実はRooksが30年前にできたときに私は生まれてないです。Rooksに入ったのは10年前の18歳のころでした。その時は日本一になるという言葉に引かれて入部して、選手並びにコーチとしても関わる中で、栄光と苦難の日々だったかなと思っております。日本一5連覇を選手として経験した後に、新型コロナが流行ってなかなか部活動が思うようにできない時期もありました。その中でもRooksは変化に対応し、様々な工夫を凝らしてこれまで活動してきたと感じております。その中で感じたRooksの良さは、OBの皆様がつないできてくださった、Rooks の魂だと思っております。仲間を思いやる気持ちやプレー1本1本を大切にする気持ち。30年間つながれてきた思いというものがRooksの強さであり、これからも守り続けていくものだと感じております。そんな皆様の思いを背負って現役部員たちは日々練習をしていますし、ヘッドコーチの私としても、成果を残すべく必死に頑張っていきたいと思っております。このような素敵な回が今回で終わるのではなく、40周年、50周年、100周年は生きてはいないんですけれども、そこまでRooksが存続することを願っています。」と語った。

(写真:北山菜生ヘッドコーチ)

 内藤千紗(国人・3)は「OGの皆さんとの関わりはたくさんあり、練習にもたくさん来ていただいている。去年は3年ぶりに出た東西王座で勝つことができず、今年こそは日本一に向けて部員一同一丸となって頑張っていきたい。『打倒武庫川女子』を掲げて、練習中にも武庫女の名前を出して意識している。」と話した。

 西村菜津(農・3)は「それぞれの代がつないできたおかげで今があると感じていて、今でもRooksを守ってくださるOGの皆様に感謝している。今年のチームスローガンは『aggressive』。ひとりひとりが積極的にチームのために行動し、その結果日本一をつかみ取れるように頑張りたい。」と話した。

(写真:内藤千紗と西村菜津)

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