神戸大会見 BADBOYSは暫定的に活動停止

 神戸大は3月25日16時から、バドミントン同好会「BADBOYS」の学生の不適切行為について、これまでの経緯や調査について記者会見を行った。BADBOYSは、最終的な処分が決まるまで、活動停止だという。<ニュースネット取材班>

(写真:神戸大本部。2024年3月25日撮影)

テレビカメラ6台、記者20人詰めかける

 神戸大バドミントン同好会「BADBOYS」についての記者会見は、テレビカメラ6台、新聞、放送、通信各社の記者約20人が詰めかけるなか、3月25日16時からおよそ1時間にわたって大学本部6階の大会議室で行われた。

 大村直人副学長とBADBOYSの顧問で海洋政策科学部の宋明良教授、学生支援課の担当者2人が記者会見に参加した。

 会見冒頭、教育担当理事でもある大村直人副学長が学生の不適切行為により、旅館及び関係者に迷惑をかけたことを謝罪し、深々と頭を下げた。

処分決まるまで活動停止に

 3月19日の朝にSNS上の投稿について把握した大学は、3月19日、21日に学生に聞き取り調査を行い、調査委員会によって最終的な処分が決定されるまでBADBOYSを活動停止とした。3月24日には、大村副学長、宋顧問、事務担当者2人で旅館へ謝罪に行き、この日の会見になったと説明。

卒業生1人を含む62人の合宿だった

 大学の聞き取り調査によると、今回の春合宿は3月10日から16日にわたって行われ、BADBOYSから全部で62人が参加していた。参加者は全員神戸大生または卒業生で、内訳としては、1年生12人、2年生12人、3年生13人、4年生14人、修士1年4人、修士2年6人、既卒1人(男性38人 、女性24人)だった。施設の修復費用などは、BADBOYSと旅館側で現在も「相談中」だという。一部メディアが、学生が加入している保険をもとに修復されたと報道していたが、「そのような事実はない」とした。

 また、旅館に対する一部弁償については、BADBOYSがチェックアウトした際に何らかの話があったようだが、「詳しくはわからない」とした。未成年飲酒については調査中で、合宿に参加した学生一人一人に聞き取り調査をする予定だという。

これまでに幹部4人に聞き取り

 これまでに大学が既に話を聞いているのは幹部の4人だけで、幹部は概ねSNS上の写真などに関して事実であると認めている。学生たちは、旅館に謝罪に出向く意向を示してはいるが、旅館側から現在は電話などの対応に追われているため控えてほしいといわれ、行けていないという。

なぜ障子を破ったかについて「食い違い」

 大学側は、学生への聞き取りで、▽障子を破ったこと、▽天井に穴を開けたこと、▽スタンド型の灰皿を壊したことの3点については、事実だったことを確認したという。

 ただ、スタンド灰皿を持ち帰ったことについて、幹部は灰皿を壊したことは認めているが、「無断で灰皿を持って帰ったわけではなく、捨てるのであれば持って帰っていいか確認したところ許可をもらったので持って帰った」と主張しているという。

障子を破ったことに関しては、BADBOYS側と旅館側で意見が食い違っていると説明。

 記者から、「障子は最初から破れていたという話もあるが」との質問に、宋顧問は、「入館した時から破れていた部分があった。自分たちが破ったとあとでいわれたくないので写真を撮っていいかと旅館側に聞いたが、旅館側は、『張り替えるので写真は撮らなくていい 。穴を開けた場合は言ってください。その際はきれいにはがす手伝いをして欲しい』と言われたことを、勝手に学生が解釈した」という。全部剥がそうとして、その過程で一斉に穴を開けたところが動画に撮影されたのだ、と釈明。「はがす過程で物を大切にしていないような行為をした」という。

(写真:記者会見会場となった大学本部では、メディアが集まっていた)

過去のトラブルは「調査中」

 神戸大は、過去にBADBOYSが同様のトラブルを起こしていたかどうかについては、大村直人副学長は、「SNSには出ているが、今のところ調査中」とした。

 旅行会社に断られたなどの噂は大学は聞いていないのか、という質問には、「そうした情報は学内で共有されていない」とした。

 約10年前からBADBOYSの顧問を務めるという海洋政策科学部の宋明良教授は、この場面では答えなかった。

 学生支援課によると、BADBOYSは、1970年に設立された同好会。主に春や夏に合宿をし、また、他の活動として他大学の交流試合などをしていた。しかし、宋顧問は、今回の合宿については、具体的なスケジュールや人数、場所、活動内容は把握していなかったと答えた。

 過去どこまで遡って調査するのかという質問に対しては、できる限りしたいとしたものの、当時の学生は既に卒業してしまっているため、難しいのではないかと話した。

 どうすれば防げたかという質問に関して大学は、学生が倫理観や節度ある行動を行うよう、新入生教育を含めた啓発活動を強化するとした。

「どうすれば防げたのか」 声を詰まらせる顧問教員

 宋顧問は、3月18日の朝9時半くらいに知り合いからの連絡で、SNS上での炎上を知った。その後会長(3年男子)に確認のメールを送ったところ、夕方電話がかかってきて、天井や障子を破ったことが事実であると認めたという。

 会長は、旅館などに対して申し訳ない気持ちと、どうすればいいのかという戸惑いの気持ちを話したという。

 宋顧問は会見後半、学生から電話があったときからずっと、自分がどんな行動をしていれば、今回の不適切な行動を防げたのかを考え続けているという。旅館の人たちは、ここまで迷惑かけているのにも関わらず、「彼らが不適切行為をしないような人間になってくれることを期待していると言ってくれた」と話し、学生たちの心が少しでもよくなるように自分がこれから何をすべきなのか、四六時中考えていると、時折声を詰まらせながら語った。

 非公認サークルは、学生たちが自分たちで集まって、運営をして、社会と接点を持つことができる良い場であり、自分たちで考えて成長してほしいと思って顧問引き受けたという。

調査委員会は新年度に立ち上げへ

 調査委員会は新年度に立ち上げを予定。メンバーは学生委員の教授や准教授で、基本学内の人間のみが参加し、事実認定や行為の理由、未成年飲酒の有無などを調査するという。大村副学長は、できる限り早くしようとは思っているが、スケジュールなどは未定だと話した。

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