バドミントン同好会「ＢＡＤＢＯＹＳ」が旅館の天井や備品を破壊する様子を捉えた動画や写真がＸを中心にインターネット上で拡散された。Ｘユーザーからの批判的なコメントがあふれる一方で、その影響はＢＡＤＢＯＹＳとは無関係の団体にも大きく及んでいた。＜ニュースネット＞

（写真：今回の炎上を受けて、複数の無関係の団体に誹謗中傷のポストやリプライが送られた）

　バドミントン同好会「ＢＡＤＢＯＹＳ」が旅館の天井や備品を破壊する様子を捉えた動画や写真がＸを中心にインターネット上で拡散された。Ｘユーザーからの批判的なコメントがあふれる一方で、その影響はＢＡＤＢＯＹＳとは無関係の団体にも大きく及んでいた。今回ニュースネットは、体育会バドミントン部に今回の騒動による風評被害について聞いた。

　バドミントン部によると、具体的に以下のような風評被害があったという。

・ＢＡＤＢＯＹＳのことをバドミントン部と誤って呼んだ人のツイートが拡散され、両団体を混同する人が増えた。

・Ｘではバドミントン部への攻撃的なポストやリプライが散見された。

・公式だけでなく部員個人のＳＮＳにもＤＭなどで誹謗中傷のコメントが届いた。

・部員の顔写真がＢＡＤＢＯＹＳの写真だと紹介された上で、無断でＸやYouTubeに転用され、拡散された。

・部員がＢＡＤＢＯＹＳのメンバーと勘違いされてバイトをクビにされかけた。

　バドミントン部は、ＢＡＤＢＯＹＳに関する投稿の炎上を受け、以前からＸに投稿していた、部員紹介の画像を削除した。削除した理由としては、「バドミントン部への攻撃的なコメントが増えてきたことから、部員紹介の画像が悪用される可能性が高いこと」、「公式アカウントの投稿の閲覧数増加により、個人情報がより他人に認知されやすくなったこと」があるという。

　また、部員紹介を削除せざるを得なくなっただけでなく、部の新しい紹介文を投稿できない状況になり、バドミントン部の画像が悪用されていないかを常に確認し、悪用されていた場合は削除するよう求めるなど対応に追われているという。

　現在バドミントン部はＸの固定ポストに、「一部投稿で当アカウントが誤って言及されておりますが、こちらは神戸大学体育会バドミントン部アカウントであり、現在問題となっている神戸大学のバドミントンサークルとは一切関係ございません。ご承知の程、よろしくお願いいたします」という文章を掲載している。バドミトン部とＢＡＤＢＯＹＳを混同して、バドミントン部に誹謗中傷をする人が多く見られたことや、謝罪を求めるＤＭなどが届いたことから、注意喚起をしたという。

（画像：バドミントン部がＸに投稿したポスト）

　バドミントン部は今回の騒動を受けて、ネットに個人情報を投稿することの危険性を感じたといい、「バドミントン部とＢＡＤＢＯＹＳは無関係であることをみんなに知ってほしい」と話す。大学に対しては、「バドミントン部の画像が悪用されていることを、大学側からも注意喚起してほしい」とした。

　３月２５日に神戸大が行った記者会見では、大村直人副学長が「改めて（ほかのバドミントン団体は）関係ないという話もコメントとしていただけますか？」と記者に促され、他のサークルは関係ないと会見で述べた。大村副学長は「（他の団体は無関係だと周知するのに）今後どのような手段が有効か検討するのでもう少しお時間いただきたい」とも話していたが、まだ何の手段もとられていないようだ。

　バドミントン部はまた、「何気なくする投稿も、事実確認をしてから行っていただきたい」としつつ、ネットに出た情報を訂正・削除したところで、全員の誤解が解ける訳ではないということを痛感したという。同時に、「見知らぬ他人からの批判の的になり、すぐには対面で話して誤解を解けないので、ネットならではのもどかしさを感じた」とコメントした。

　今回のＢＡＤＢＯＹＳの炎上で風評被害などの影響を受けたのはバドミントン部だけではない。ニュースネット委員会のＸアカウントにも、今まではあまり見られなかった誹謗中傷をするようなリプライや、神戸大生全体を馬鹿にするようなリプライが届いた。今回の騒動は、ＳＮＳの怖さを知るとともに、運用の仕方を見直すきっかけにもなったかもしれない。

了