神戸大の非公認バドミントンサークルBADBOYSが3月中旬に合宿先で行った不適切行為について、学生委員の教員らを中心とした調査委員会が、合宿の参加者への聞き取り調査をほぼ完了させたことがニュースネットの取材でわかった。処罰については各学部で検討され、今年度中に決定する見通しだ。<ニュースネット取材班>
(写真:神戸大本部)
▼「調査は6月12日にほぼ完了」
調査委員会の複数の関係者への取材によると、調査委員会は学生委員を含めた各学部2人ほどの教員らで構成。聞き取り調査は62人の合宿参加者全員に対して行われる方針で始まった。6月12日の会議をもって学生に対する調査をほぼ終えたものの、卒業生に関してはまだ調査しきれていないという情報もある。
神戸大学学生懲戒規則12条2項では、学生による懲戒の対象となりうる行為について「部局等の教授会は、当該行為に係る事実関係を調査し、懲戒処分の要否等について審議するものとする」と明記されている。
このため個々人の懲戒処分については、今後、所属学部などの各部局で検討される。取材によると、個々人の懲戒処分に関しては各学部の権限が大きいものの、学部間で処分の不公平感が出ないように、各部局や本部との間での調整が必要となるという。
サークルとしての団体の処分は、学生委員協議会で各学部での調査報告をしたのちに決定するという。
▼各学部、同じフォーマットで質問
調査委員会の聞き取り調査の進め方はどのように行われたのだろうか。
複数の関係者の話を総合すると、質問のフォーマットを決めて各学部で質問内容が同じになるようにし、必要があれば追加調査を行ってきたという。
5月に取材した段階では、「合宿に参加した人に話を聞き、プライバシーに配慮しながら、トラブルを起こした人にも、(その時間)寝ていた人にも同じ質問をしている」、「調査中に新しい情報が出てきたりなどするので、調査の方法を模索している部分もある」と調査に苦労している声が聞こえてきた。
また、「起こったことに関しては、学生も忘れているかもしれないし、どのくらい正直に話してくれるかも分からない。正直に言わずに黙っているほうが得をするような形では進めたくない」という考えの委員もいた。
▼「学生も世論も納得できる解決を目指す」
調査委員会の様子に関しては「先生方も真摯に向き合っていて、ネットの世論に左右されて感情的にやっている訳ではない。学生に対して不当な処分をしないように細心の注意を払い、誠意を持って調査を進めている印象だ」、「学生も世論も納得してくれるような形での解決を目指している」と話す委員もいた。
またある関係者は、個人的な見解としながらも、学生の迷惑行為の再発防止について「今回の件が起こった原因として、立場が違う人との交流をしないというのがあるのではないか。活動の中でもっといろんな人と積極的に交流するなどして風通しを良くし、誰かがブレーキをかけるようにしないといけない。そのためには活動を客観的にチェックできるような仕組みが重要だ」と話す。
「ぜひ学生からも意見などを出して欲しい。また、もしあの場にいたら自分はどうしていたかを考えて、自分たちのことを顧みてほしい」と私たち学生に問いかけた。
▼現在BADBOYSは活動停止中
神戸大の課外活動は、学長に「サークル団体設立届」を提出することで、学生支援課によって非公認団体として登録され、学内の体育館などの施設の使用が許可される。
今回、もし廃部という処分が下されれば、その登録が取り消されるということになる。BADBOYSは、最終的な処分が決定されるまで活動停止となっている。
▼卒業生について「処分を下すことはできない」
今回の不適切行為は3月中旬に発生し、当時の4年生も合宿に参加していた。ある調査委員会の関係者は、すでに卒業した4年生の懲戒については神戸大の規則で決められていないことから「聞き取り調査は行うが、処分を下すことはできない」と話した。
各学部はどのような処分を下すのか。今年度中に下される決定が注目される。
そして、聞き取り調査の結果から、どのような対策が講じられるのか。また、神戸大ならではの再発防止プログラムは組まれるのか。
ある委員のコメントにあるように、学生や教職員らの意見や考えを取り込みながら、「炎上事案」を繰り返してきた神戸大で新しい知見が生まれることを期待したい。
了
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