【1月号掲載】人間らしさ描く  はちの巣座公演

 演劇研究会はちの巣座は卒業公演「バット男」を12月13日から16日まで、鶴甲第1キャンパスのシアター300で行った。

 主人公、林博之の住む町にいたバットを持ち歩くホームレス、通称「バット男」。バット男を弱者の象徴とし、弱肉強食の社会の中で主人公の葛藤が描かれる。現在の職場での場面と、高校時代から始まる回想シーンが交互に現れ、次第にシリアスな展開に。観客にも緊張が走った。

 「(登場人物は)みんなすごく人間的。私たちが生きていて直面する感情と同じものを感じている。生きているからこそのどうしようもない部分を描こうとした」と話すのは演出を務めた小山詠未(えみ)さん(工・4年)。「人間」をテーマに、登場人物が現実の人間から背離しないよう心掛けた。

 主演の冨岡正太郎さん(文・4年)は、思い入れが強い場面として、主人公が「バット男にしないでくれ」と祈る最後のシーンを挙げる。「周囲の動きも複雑で、繊細な演技が要求される。この部分のために全てがある」と語った。

 はちの巣座では、本公演をもって12人が卒業した。次の公演は2019年4月中旬、新入生歓迎公演の予定だ。

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