国際文化学部と発達科学部が再編・統合して4月に新設される国際人間科学部。学部生全員が海外研修に行く「グローバル・スタディーズ・プログラム」(GSP)を大きな柱として、文理の枠を超え他者と協働し、地球的規模の課題の解決に取り組む人材の養成を理念に掲げている。4月から学部長を務める人間発達環境学研究科の岡田章宏教授に話を聞いた。
??学部長に就く心境は。
「発達科学部長を務めた時とは心境が違う。前回は学部の維持と発展が一番の仕事だと考えていたが、今回は新しいことに挑戦するという思いが強い。不安と期待の両方がある」
??学部の再編・統合を学部長に就く立場としてどのように捉えているか。
「二つの学部を一つにするには、学部の伝統や慣行など『文化』の違いをうまく調和させるという大きなハードルがある。しかし変化の激しい現代社会に即して両学部を再定義するために、再編・統合する大学の判断は理解している。守るべきものを守るために形を変えることは必要だ」
??両学部の特色をどのように残していくか。
「二つをまとめて全く違う学部にしてしまうのはもちろんいけない。両学部の特色を生かし、その延長線上に新しい学部を目指す」
??GSPの意義は。
「まずは学生に意味を理解してほしい。このカリキュラムの重要な点はフィードバック。海外に行くことではなく、行ってから何を考えるかが大切だ。学部長として、学生が何をつかんで帰ってくるかを見届けるのが仕事だと思う。近年はトランプ氏の米大統領就任や英国の欧州連合(EU)離脱騒動など国際社会が大きく動いている時期。嵐が過ぎるのを待つのも手だが、(大学で)学ぶ人間ならば積極的に現場に出向き、問題と直接向かい合い正体を発見すべきだ」
??全員が海外研修に行くのは高いハードルでは。
「自身の経験上、海外での生活は人生に大きな幅を持たせてくれる。高いハードルと思わず挑戦してほしい。もちろん費用と安全の問題や学生のさまざまな事情もあるので、個別に相談できる仕組みを作る」
??新入生に向けてメッセージを。
「在籍して良かったと思ってもらえる学部にする。勉強する分野の世界に閉じこもるのではなく、学んだことをどのように役立てられるか試してほしい」
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