神戸大山岳部の部員や卒業生らが中国地質大(武漢市)と合同で編成した学術登山隊は27日、チベットにある標高6330メートルの未踏峰に初めて登頂した。登山隊は未踏峰を「タリ峰」と命名。同部が海外で未踏峰の登頂に成功するのは7座目となる。
登山隊には、同部の現役部員から井部良太主将(経済・3年)と松村健司さん(工・4年)が参加した。松村さんの報告によると、同約5700メートルに設けたキャンプを27日未明に出発。クレバス(割れ目)を飛び越えたり氷壁を登ったりしてルートを進み、約5時間後、タリ峰の登頂に成功した。しかしバダリ峰までの尾根が左右に切れ落ち、岩が無数に積み重なって危険な状態であることがわかり、バダリ峰の登頂を断念したという。
登山隊の記録には、キャンプ出発直後の状況について「非常に寒い。足先の感覚が次第に無くなっていく」と山行の過酷さがつづられている。登山隊は既に下山し、11月上旬に帰国する予定だ。
今回の登山は同部の創立100周年を記念して行われた。海外の未踏峰登山に数多く挑戦しているのが同部の特徴。2009年にも中国地質大と合同で登山隊を編成し、チベットの未踏峰「ロプチン峰(標高6805メートル)」の初登頂に成功している。
タリ峰はヒマラヤ山脈の北に平行するニェンチンタンラ西山群に属し、中国チベット自治区の中央部・ラサの北西約100キロメートルに位置する。タリは現地語で「虎の山」を意味する。命名に当たっては、同山群の多くの山が動物名で呼ばれることにならった。
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