巨大キャンバスがズラリ 3大学で合同野外展、凌美会も参加

美術部凌美会を含む3大学の美術部が、9月4日から10日にかけて六甲道南公園(神戸市灘区)で、合同野外展を開催している。会場では初日の開始時間前から多くの通行人が足を止め、公園内に並んだ巨大なキャンバスの絵に見入った。【9月5日 神戸大NEWSNET=UNN】

この催しは、例年凌美会と大阪市立大美術部が合同で行っていたもの。今年は凌美会部長である島田賢二さん(海事・3年)の呼びかけで大阪大美術部が参加し、より規模を拡大して開催することになった。凌美会からは1年生から4年生まで、19人の作品が登場。作品は全てアクリル画であり、カラフルなものから歴史の一場面を描いたものなど、様々なコンセプトの作品が見られた。

宮脇直大さん(法・2年)は、自身6作品目にして初の巨大なキャンバスでの制作に挑戦。「誕生、喝采、減衰」というタイトル通り、物が生まれ終わっていく様を1枚の絵に表現した。制作には約1週間かけたという。「僕は大学から美術を始めたから、やっぱり中高で経験のある人の絵を見るとうらやましく見える。でも、自分なりに細かい点まで見られるようになった」と、並んだ作品を見ながら振り返った。

 


また「異海にて」を出展した吉村由多加さん(理・2年)は、制作期間が3日しかなかったという中、細かい模様を散りばめた架空の生物を描いた。模様と色は下書きの段階では細かく決めず、全て実際に塗る段階に入ってからアドリブで描いたそうだ。「手の感触がいつもと違う。キャンバスが大きい分、太く、大きく描かないといけない」と、制作中の苦労を話した。吉村さんは「でも、感じてほしいことはどの作品でも同じ。これが何かわかってもらおう、というよりは見た人の心に影響を与えるようなものを作るようにしている」と、作品への変わらない思い入れも語った。

会場が神戸大の付近ということもあり、野外展全体の運営を中心的に行ってきた部長の島田さん。当日は灘区役所職員との応対、他大部員との会場シフト決めなどに奔走していた。「ここまで大きな作品を並べているだけに、通行人の方には迫力を感じてもらえれば」。島田さんは手早く作業を進めながら答えた。

合同野外展は24時間開催しており、時間帯に応じた作品の趣を感じ取ることができる。最終日である10日のみ、午後2時で終了する予定。

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