神戸大の演劇研究会はちの巣座の厳夜祭公演「越前牛乳 飲んでソヴィエラ」（脚本・松村武、演出・アキノトルテ）が、12日から4日間に渡ってシアター300で上演された。12日17時からの公演では、厳夜祭に訪れた学生や近隣の住民がシアターを埋めつくした。【11月15日　神戸大NEWS NET＝ＵＮＮ】?

舞台は戦国、主人公・少女ハイジは祖父、牛のドナドナと平和に暮らしていたが、戦乱に巻き込まれ、祖父を亡くしてしまう。5年間を何とかドナドナと生き抜いたハイジだったが、突然「市場へ行きなさい。そしてドナドナを人生にとってかけがえのないものと交換しなさい」という祖父の声に包まれる。ハイジはドナドナを引き連れ、戸惑いながらも市場へ。バトルシーンに回想シーンと、場面が次々に変化する急展開のコメディ作品。

演出を担当し、自ら役者としても劇に参加した堀木章弘さん（経営・2年）は「厳夜祭だから、好きなことをやろうと思っていた」とすがすがしい表情で話した。劇中に突如有名人のパロディが登場するなど、展開が読みにくい台本を扱う上で、どう観客に1つの作品として納得してもらえるかを考えてきたという。「公演を1つ打つのは難しいことを再認識したが、それでも演劇は楽しい」とにこやかだった。

友人の誘いで京都から訪れた観客の1人は、「決して軽くないテーマを、笑いの中でうまく伝えていた」と公演を称賛した。その話通り、役者が何か1つ挙動するごとに、シアター内に大きな笑い声が起こる公演だった。

はちの巣座の次回公演は12月1日からの27期生卒業公演。場所は今回と同じくシアター300で行われる。