折り鶴にこめた平和への思い 生協学生委員会・広島平和記念公園へ

神戸大生協学生委員会が8月15日、神戸大で募集した折り鶴を持って、広島市の平和記念公園を訪れた。原爆の子の像に捧げ、原爆ドームや原爆資料館などを見学した。被爆者の遺品や当時の写真を前に、平和の重みをかみ締めた。【8月20日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 7月13日から24日にかけて、生協学生委員会が『折り鶴に祈りをこめて』という企画を実施した。原爆を受け、白血病で亡くなった佐々木貞子さんの話から平和のシンボルとなった折り鶴を学生らに作ってもらう、という企画だ。国文キャンパスの学生ホールに紙を配置し、同キャンパスの食堂北口で回収した。2週間で計1106羽集まった。?

 この企画を発案したのは、江口類子さん(文・3年)。江口さんは、気軽に参加できる平和への活動をしたいとこの活動を提案した。
 きっかけとなったのは友達の話だった。自身は仙台出身で、広島への思いは薄かった。しかし、大学で広島出身の友達と出会い、「関西では8月6日に黙祷をしないのか」などと話を聞き、「彼らにとって8月6日が大きいものだ」と感じた。「平和への活動として鶴というシンボルはわかりやすいし、学生らがどれくらい興味を持ってくれるのか知りたい」という試験的な意味も込め、学生に鶴を折ってもらうという企画を提案。?

Photo「1106羽集まったことも嬉しかったけど、それよりも折り鶴を実際に折っている人を見かけたときや、宣伝の看板を見た人が、原爆のことを意識したことをしゃべってくれているのを聞いたときが嬉しかった」と江口さんは話した。?

 集まった折り鶴を、生協学生委員会のメンバー5人が、終戦記念日である8月15日に広島まで届けに訪れた。江口さんの他は、川村慎之介さん(法)、高野真実さん(営)、中浦正太さん(理)、松浦万理さん(発達)ら4人の1年生が参加した。?

 広島を訪れ、佐々木貞子さんがモチーフとなった記念碑、原爆の子の像に折り鶴を捧げ、原爆ドームと原爆資料館を見学した。終戦記念日ということで、平和公園内や、資料館には多くの人が訪れていた。
 学生らの中から、「以前資料館を訪れたときは何も見れていなかったけれど、意識がだいぶ変わった」(川村さん)、「ここに立っても実感がわかない自分にショックだった」(高野さん)などの感想が挙がった。原爆に関する多くの情報に触れて、「学生に鶴を折ってもらう際にもっと原爆についての情報を提供できればよかった」(中浦さん)との反省点も。
 折り鶴を捧げる場面では、他にも多くの人たちが折り鶴を捧げているのを見て、自分たちと同じような活動をしている人たちがたくさんいる、という認識を持った。しかし、見学をしていて、自分たちの活動がどれだけの人に影響を与えられるのか、今日感じたことや考えたことをこれからに生かすことはできるのか、という不安も挙がった。
 「だからこそ、感じたことを伝えていく工夫が必要」(高野さん)。
 「戦争を繰り返したくないなら、(平和活動を)続けること」(江口さん)。
 自分たちの中で、1つの答えが見つかった。?

 江口さんは、「きっかけは広島だったけど、そこで終わる話ではないのでどんどん広がっていけば」と今後の活動に期待を込めた。

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