うりボーロードの馬術場を通るとき、犬や猫を見かけたことはないだろうか。それは馬術部で飼っている犬の「ハナ」と猫の「ゴメス」だ。彼らは部員らにとってどのような存在なのか。【5月13日 神戸大NEWS NET=UNN】
馬術場に足を踏み入れると、小さな草地で初夏の暑さをしのいでいる犬がいた。「ハナ」だ。一見するとおとなしいが、初対面の人間にはよく吠えるメス犬。阪神・淡路大震災で迷い込んで来たのを馬術部が引き取ることになり、それ以来馬術場に住みつくようになったのだという。今では、近所の人らからえさをもらったり、散歩に連れて行ってもらったりと、すっかり看板犬だ。また、放し飼いであるため、ひとりで国際文化学部周辺を散策することも。副将の益井博史さん(理・3年)は「僕らよりこの辺の地理に詳しいんじゃないですか」と笑って話す。
もちろん部員にもなついている。練習が終わって部員らが阪急六甲駅に下りるとき、一緒についてくることもあるという。 しかし、ただかわいがられているばかりではない。番犬として部員を守ることもある。特にイノシシ。部員らが怖がっているとハナが追い払ってくれるそうだ。「ハナは部員にとって頼りになる存在です」と益井さん。
おとなしく忠実なハナとは対照的に、メス猫の「ゴメス」はやんちゃ好き。馬術部にやってきたのがいつかは定かではないが、少なくともハナよりはずっと後だ。
益井さんに、ゴメスはどんな猫か聞くと「常に飢えています」ときっぱり。部室のパンが食べられることは日常茶飯事で、馬の様子を見に行っている一瞬の隙に部員の食事をすべて食べてしまうこともあるのだという。
それだけではない。ゴメスはハトも食べるそうだ。「部室でテレビを見ていたら足音が聞こえてくるんです。羽毛が見えるので『なんだ』と思ったら、ゴメスがハトをくわえて運んできて部室で食べ始めて」と益井さん。ハトの残骸や羽毛の処理は部員が行わなければならない。「慣れてしまいましたね」と益井さんは苦笑する。?
それぞれ個性のあるハナとゴメス。肝心の馬との関係はどうなのか。「ハナはあまり馬に近づきません。牧羊犬ではないので。ゴメスは厩(うまや)によく入ってきますが、馬も慣れていて、別に警戒したりはしないです」(益井さん)。近すぎず、遠すぎない距離を保っているようだ。?
部員内では「ハナ派」と「ゴメス派」に分かれているという。ただ、ゴメスには食事を取られて痛い目にあった部員が多いため、「反ゴメス派の勢力が強い」様子。
それでも「ハナとゴメスがじゃれあったり、OBさんが持ってきたえさを2人で食べたりしているのを見ると癒されます」と益井さんは話す。部員らにとっては、馬だけでなくハナとゴメスも大切な存在だ。
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