小学校3年の時に友達に誘われ、少年アメフットチーム・千里ファイティングビーに加入。大園のWR人生はここから始まった。コーチにWRをやってみるように言われてから13年間、WR一本。「違うポジションをやってみようと思ったことはない」と話す。「ボールを捕るのが楽しい」。このシンプルな答えが、大園がWRを続ける理由だ。 レイバンズは今シーズン、4勝を挙げリーグ単独3位という結果を残した。勝ち越しは15年ぶりという快挙。しかし、「強いチームであればこれくらいの成績では喜ばない」と大園は表情を引き締める。「目標は『優勝』。こんな成績では優勝には程遠い」。その思いが大園の気持ちを突き上げる。
大園自身、今シーズンは納得のいくものではなかった。「チームとしては結果を残せたが、自分自身は100パーセントの試合ができなかった。記録も1年生の時に比べると約(パスでの獲得ヤード数が)200ヤード少ない。ロングゲインが出来ていなかったということが悔しい」と顔をくもらせる。細かいミスが多かったことや、吸収した知識を還元しきれなかったことも今シーズンの内容が不完全だったという思いを強くする一因だ。?
大園は知識を得ることに貪欲だ。立場や年齢に関係なく、どんな選手でも、いいと思うプレーがあれば質問をしてメモをとる。大学に入ってからこのスタイルをより意識するようになった。「今までは与えられる環境だった。ここではそうはいかない。自分から求めていかないと」。熱心に学ぶ初心を忘れない大園にとって、中でも、ワシントン大の春季練習の見学に参加したことが大きな刺激となった。そこで得た技術や知識を自分流にアレンジしていくことに時間をかけていく。
同様に大園にとって、意識が変化したことについて、通常4年生のみで行われるオフェンスミーティングに参加したことが大きく関わっている。どのように練習が作りあげられているか、という普段表には見えない場面を知ることで、練習に対する意識が変わった。最も意識するようになったのは、「ミスに対する思い」だと話す。強いチームはミスに対して厳しい。試合でミスをすれば次は使ってもらえない。大園は関西大倉高でその厳しさを経験している。しかし、その覚悟が今のレイバンズには足りないことを指摘する。
大園は、もう一つレイバンズに足りないものとして、「自分が活躍したい」という気持ちを今以上に持つことを挙げた。「自分が活躍することでチームの勝利につながると信じている」。大園が何度も口にするフレーズ。大園の勝利にかける思いは強い。
レイバンズの目標は「優勝」。その優勝を果たすために根底にあるのは立命、関学に対する思いだ。「勝てない相手ではないのに、なんで点差が開くんだろう」。1年生で対戦した時から持ち続けていた思い。『勝てない相手ではない』。「心のどこかで、勝てたらいいな、と思うくらいではだめ。技術的には向こうの方が上なのだから、絶対に勝てると思うことが最低条件」と大園は強く言い切る。
大園の今一番の課題は「下級生たちに優勝したいという思いを持たせること」。そのためには、立命や関学といった強豪校とも渡り合っていけるのだ、いう思いも持たなくてはやっていけない。「自分たちの代は経験者も多いし、選手の質がいい。チャンスだ」と大園は話す。
最高学年となり、よりチームを引っ張っていく存在になっていく。レイバンズ優勝を目指す大園に更なる期待をしたい。
なお、2008関西学生アメリカンフットボールリーグDiv.1の優秀攻撃選手、BEST-11(WR)、リーディングレシーバーの表彰は来年1月10日のえびすボウルにて行われる。
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