国の責任明らかに 溝上さんの遺族ら

 2000年3月、大日岳で起きた遭難事故で、遺族が国を相手に訴訟を起こした件で、溝上さんの両親は「(国の)責任なしの見解は疑問。司法の場で責任を明らかにしたい」と話した。【3月7日 神戸大学NEWS NET=UNN】?

 事故の後、文科省は2001年3月に「事故を予見することは不可能だった」とする事故報告書を発表。11月には遺族に対し「国に責任はなし」という見解を伝えた。
 2人の両親は国が安全配慮義務を怠ったとして、事故からまる2年となる3月5日、国を相手に2億790万円の損害賠償を求める訴訟を富山地裁に起こした。
 溝上国秀さん(当時2年)の両親はニュースネット委員会の取材に対し、「(文科省の)報告書は学術的見解から事故は不可抗力だったということを書かれているだけで、事故はなぜ防げなかったのかということを説明していない。あんなのは報告書と呼べない」と国の対応に強い不信感を示した。また「プロのリーダーがいたのに、なぜあれだけ大きい雪庇(せっぴ)を見逃したのか。過ちがあったことは確かなのだから、司法の場で責任を明らかにしていきたい」と話した。

 一方、溝上さんが所属していたワンダーフォーゲル部では、クラブ活動中の事故に準ずるとして、捜索活動に協力するなど、事故直後から部として対処を行なっていた。9月には都立大ワンダーフォーゲル部と合同で追悼登山を敢行。昨年12月には事故後の対応、追悼手記などが書かれた事故報告書を発表した。
 事故後、ワンダーフォーゲル部では全ての雪山、山スキー活動を中止。文科省登山研修所の冬山登山研修も再開のめどはたたないなど、事故の影響は2年たった今も残っている。
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