人文系専門書を中心に取り扱っていた鈴木書店が12月7日、東京地裁に自己破産を申請した。取引のあった神戸大生協でも大きな影響が出ていることが13日、分かった。【12月13日 神戸大学NEWS NET=UNN】
神戸大生協では岩波書店などの人文系専門書を鈴木書店からの入荷に100パーセント頼っており、全ての取引の30パーセントが鈴木書店とのものだった。現在は大手取次会社・日販との取引に切り替えており、購入できなくなる書籍はないという。また、値段が変わるということもない。
しかし、規模が小さく、小回りの利く鈴木書店の倒産で生協に影響が出ないわけではない。その一つが返品の問題。普通の書籍は入荷から3ヶ月以内なら取次会社に返品できるが、岩波書店などの専門書は買い切りと言われ、それができない。しかし、鈴木書店には融通を利かせてもらい、返品できるよう配慮してもらっていた。大手の日販にはできないことだという。
返品できなくなれば、売れそうにない本の入荷には踏み切ることはできない。人文系専門書の入荷は「10冊入れていたものが5冊に、1冊が0冊にということは考えられる」と書籍部学生会館店長の武田守さんは話す。
武田さんは学生の活字離れにも頭を痛めている。「みんな、本を探しきれていない。今は文庫でも読みごたえのあるいい本はいっぱいあるのに」と武田さん。鈴木書店の倒産で専門書の品揃えが悪くなれば、神戸大生の活字離れがさらに進む可能性もあるという。
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