神戸大で勉学に励みながら、フィギュアスケートで一流への道を突き進む人がいる。国際人間科学部発達コミュニティ学科2年生の壷井達也さんだ。2022年4月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、同月に日本スケート連盟の今年度特別強化選手に指定。今秋の2022-2023シーズンからはシニア級に昇格し、いよいよ世界のトップへ挑む。この記事では、壷井さんの海外遠征での苦労や楽しみ、神戸大での生活など、様々な壷井さんの姿をQ&A形式で紹介する。<本多真幸、出口華、笠本菜々美、塚本光>
▼前回の記事「壷井達也さんインタビュー フィギュアスケートで世界のトップへ」=壷井達也さんインタビュー① フィギュアスケートで世界のトップへ | 神戸大学NEWSNET委員会 (kobe-u-newsnet.com)
体調管理 なるべくたくさん食べる
記者)スポーツ選手はパフォーマンス維持のための体調管理が大事だと思いますが、食生活で何か気を使っていますか?
壷井)なるべく量を食べるようにしています。痩せやすい体質なので、少し食事を落とすとすぐに体重が減ってしまうんですよ。体重が減ると、ジャンプの時の一瞬の力とかが出せなくなると感じるので、なるべく体重が増えるように食べてます。筋力つけすぎると邪魔になって回転が遅くなるというのはありますが、自分に関しては筋力がつきすぎることはないかなと。痩せると何もできなくなるので、痩せないことの方が重要です。
下宿生活 学食利用、ときには自炊も
記者)下宿で一人暮らしをしているとのことですが、食事はどうされていますか?
壷井)学食を利用してます。おいしかったメニューは、オクラの巣ごもり卵ですね。あと、自炊もします。作ることが多いのは野菜炒めで、素材の味を生かすために、味付けは塩と胡椒と醤油をちょっとだけ使うのがこだわりです。一度、春雨炒めみたいなものを作って中野(園子)コーチに持って行ったことがあって、「おいしかったよ」って言われました。
神戸大生が「登山」と呼ぶ 標高の高いキャンパスへの通学
記者)壷井さんが在籍するキャンパスと駅との標高差は200m近くあり、駅から大学まで急な上り坂が続いています。壷井さんはどう通学していますか?
壷井)行きはバスですが、帰りは歩くこともあります。もう少し標高の低いキャンパスで授業があるときは、行きでもだいたい歩いてます。一番高いところにあるので、下りでもちょっとしたトレーニングですね(笑)。
「神戸組」の仲間と励む練習
記者)「神戸組」で一緒に練習する坂本花織さんや、三原舞依さんとは、上下関係なく仲が良いのでしょうか?
壷井)仲良いですね。坂本選手や三原選手とは昔から会う機会が多かったので。中学3年生ぐらいの頃、海外の大会に一緒に行ったことがあって、そのあたりから話すようになりました。
海外遠征 楽しみも苦労も
記者)旅行がお好きだそうですが、最近は行けていますか?
壷井)忙しいので、旅行単体ではあまりできてないです。ただ、試合になると練習時間が限られて、意外とやることがないので、ホテルの周辺を散策してますね。最近だと、大会の結果と結びついているかもしれませんが、4月の世界ジュニアで行ったエストニアはすごく良かった。大会と連携したホテルで、朝、昼、夜とご飯がついていたのですが、おいしかったです。また、海が近くにあったので散歩に行きました。とてもきれいでした。
記者)海外への移動はやはり大変ですか?
壷井)4月の世界ジュニアでのエストニアは、ロシア上空を迂回したこともあって移動に1日以上かかりました。長時間移動してからすぐの練習は、やはり動きにくくてしんどいです。
壷井)でも、最近はだいぶ慣れてきたかな。時差ぼけすることもありますが、大学生になって睡眠時間がバラバラになるじゃないですか。そういった生活が海外に行くときにも『時差ぼけ対策』として生きてくるのかもしれないです……(笑)。
壷井達也(つぼい・たつや)
2002年生まれ。愛知県、中京大中京高校出身。2021年4月、神戸大学国際人間科学部発達コミュニティ学科に入学し、現在2年生。2022年4月の世界ジュニア選手権で3位。同月に日本スケート連盟の今年度特別強化選手に指定され、6月にはシスメックスへの所属を発表。2022-2023シーズンからシニア級デビューする。
了
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