7月1日に大阪府高石市の大阪府立漕艇センターで、関西選手権競漕大会の1日目が行われた。神戸大漕艇部はこの大会に、男子舵手つきフォア、女子舵手つきフォア、男子エイト、男子シングルスカルの4種目で出場。このうち、男子舵手つきフォアと女子舵手つきフォアで2日目の準決勝に進出した。<尾畑陽貴、本多真幸>
関西選手権競漕大会は関西ボート連盟が主催する大会で、7月1日(土)、2日(日)の二日間にわたって大阪府立漕艇センターで開催される。「関西」選手権ながら、今年は一橋大学や仙台大学など他地域のチームも参加する。1日目には各種目の予選が行われ、神戸大漕艇部は、男子舵手つきフォア、女子舵手つきフォア、男子エイト、男子シングルスカルの4種目で出場した。また、断続的に降り続く雨のため、1日目は大幅にスケジュールを繰り上げ、各レースは2000mのところを1650mに短縮して行った。
舵手つきフォアは5人が乗船し、4人の漕手が1人1本オールを持って左右2人に分かれて漕ぎ、艇尾に座る1人の舵手(コックス)が船艇が真っすぐ進むよう舵を取って、ゴールまでの速さを競う競技だ。
女子舵手つきフォアの予選に出場したチームは神戸大と仙台大と京都大の3つ。神戸大は6分32秒16で2位となり、明日の決勝進出を決めた。
男子舵手つきフォアでは、神戸大は予選1組に出場。5チームで上位2枠の準決勝進出をかけて争った。スタートから4艇が並ぶ接戦となったが、中盤から神戸大がスピードを上げ、他を引き離す。そのままリードを守り切り、6分06秒82のタイムで1位ゴールイン。準決勝進出を決めた。
男子舵手つきフォアに舵手で出場した古里蔵人(海事4年)は、「700mは自分たちがポイントとして意識していた距離なので、そこで他を引きはがせたことが良かったです。決勝進出を目標としていたが、今回は何かいけそうな気がするので金メダルを狙いたい。」と述べた。
エイトは9人が乗船し、8人の漕手が1人1本オールを持って左右4人に分かれて漕ぎ、艇尾に座る1人の舵手(コックス)が船艇が真っすぐ進むよう舵を取って、ゴールまでの速さを競う競技だ。
男子エイトでは、神戸大は予選2組に出場した。。水路のコンディションが悪く、流れが逆向きであったことが神戸大にとっては災いし、序盤から他の3チームに引き離される展開となった。3位の同志社大に20秒以上の差をつけられて4位となり敗者復活戦に回った。
その敗者復活戦では、水路のコンディションが良くなったこともあり、神戸大は善戦したが、2着以内に入ることはできず決勝進出の権利を逃した。2位の大阪大学とのタイム差は3秒だった。
男子エイトに舳手(バウ=漕手の中で一番船首に近いポジション)で出場した脇田北翔主将(工4年)は、「予選は逆風が吹いているラフコンディションで、自分たちのやりたいことが発揮できませんでした。午後はその点を改善し、やりたいことはできたのですが、実力が足りなかったという感想です。阪大との半艇差を詰め切ることができず、4位となってしまいました。今回、地の力の不足という課題が明らかになったので、引退試合となる9月のインカレに向けて根本から鍛えなおしていきたいです。」と今日の試合を振り返った。
シングルスカルは1人が乗船し、右手と左手で計2本のオールを持ってゴールまでの速さを競う競技だ。
男子シングルスカルの予選には神戸大から島田真宏(工3年)が出場した。島田選手はスタートからオールが進まず、他の選手に大きく出遅れた。レースの中盤でもブイに船が当たって減速してしまい、5人中最下位となり、敗者復活戦に回った。
島田選手はその敗者復活戦の1組目に出場。6人で1枠を争った。島田選手はスタートから順調に漕ぎ出し、1000mを通過した時点ではトップを走っていた。しかし、後半にかけて高知大、鳥取大の選手に追い抜かれ、3位でのゴールインとなり、準決勝進出を逃した。
島田選手は「敗者復活戦では予選の課題を改善し、体をこわばらせることなく、前を向いて周りを見ながら漕げていたので、その点は良かったと思う。次回の試合では、もっと体力をつけ、オールをこぐ際のフィニッシュをおざなりにする癖を改善して、2本のオールを使うスカル種目ではなく、オール1本だけのスイープ種目に挑戦したい。」と次の試合への意気込みを語った。
1日目の最後に、神戸大のレースについて、佐藤洋平監督にインタビューした。佐藤監督は、は女子舵手つきフォアに関して、「3チームしか出ていないので何とも言えないが、仙台大を相手にしたとき、全日本選手権の差が埋まっていないように感じた。次の決勝で仙台大に詰めれればよいが、そうでなければインカレまでに修正が必要だ。」と述べた。
また、男子舵手つきフォアについては「逆風でもチャンスをものにできていた。準決勝以降は対戦相手の組み合わせしだいだ。実力を出せるかどうか。」と話した。
1日目で敗退した男子エイトと男子シングルスカルのレースについては、「予選では風向きが逆だったために、神戸大が苦手とする体力勝負になってしまった。コンディションが改善された敗者復活戦では実力差が出てしまったと思う。京大、阪大の方が実力があったということだ。うちのチームは4年が1人しかおらず、そういう意味では来年に向けて成長していかなければならない。」と語った。
神戸大が参加する男子舵手つきフォアの準決勝1枠目は、7月2日の10:28から行われる。また、京都大、仙台大、神戸大で優勝を争う女子舵手つきフォアの決勝は同13:02から開始される。
《2023年度関西選手権競漕大会1日目@大阪府立漕艇センター》
●一般女子舵手つきフォア予選(全1組。全チームが決勝進出)
仙台大6分26秒78
神戸大6分32秒16
京都大7分04秒57
クルー
#S武内美咲(営3年)
#3松井花望子(法3年)
#2辻村彩花(海2政年)
#B川渕亜季(農2年)
#C片山智裕(工3年)
S=「整調(ストローク)」。漕手の中で一番艇尾側に座り、船を漕ぐテンポやペース配分を整える。
B=「舳手(バウ)」。漕手の中で一番艇首側に座り、他の漕手の動きや他艇との位置を見て、チームへの指示や鼓舞を行う。
2、3=「漕手」。BとCの間に座り、エンジンの役割を果たす。
C=「舵手(コックス)」。クルーの中で一番艇首側に座り、指示を出しつつ、艇をゴールまで真っ直ぐ進める舵取り役。
●一般男子舵手つきフォア予選1組(全5組。各組2着までが準決勝進出)
神戸大 6分06秒82
大阪大 6分10秒58
金沢大B6分16秒57
山口大 6分25秒24
近畿大 6分36秒62
クルー
#S大塚友貴(工2年)
#3三村尚文(営3年)
#2伊達将慶(工3年)
#B鬼頭拓海(工3年)
#C古里蔵人(海事4年)
S=「整調(ストローク)」。漕手の中で一番艇尾側に座り、船を漕ぐテンポやペース配分を整える。
B=「舳手(バウ)」。漕手の中で一番艇首側に座り、他の漕手の動きや他艇との位置を見て、チームへの指示や鼓舞を行う。
2、3=「漕手」。BとCの間に座り、エンジンの役割を果たす。
C=「舵手(コックス)」。クルーの中で一番艇首側に座り、指示を出しつつ、艇をゴールまで真っ直ぐ進める舵取り役。
●一般男子エイト予選2組(全2組。各組2着までが決勝進出)
龍谷大 5分15秒11
仙台大 5分24秒41
同志社大5分26秒55
神戸大 5分53秒95
▽一般男子エイト敗者復活戦(全1組。2着までが決勝進出)
同志社大 5分15秒53
大阪大 5分19秒84
京都大 5分21秒95
神戸大 5分22秒64
大工大重吹5分28秒38
クルー
#S下谷将大(農3年)
#7北野達士(法3年)
#6深澤健三郎(法3年)
#5前田和輝(海政2年)
#4川崎雄一郎(工3年)
#3丸田龍弥(済3年)
#2足立拓海(済3年)
#B脇田北翔(工4年)
#C関川岳樹(済3年)
S=「整調(ストローク)」。漕手の中で一番艇尾側に座り、船を漕ぐテンポやペース配分を整える。
B=「舳手(バウ)」。漕手の中で一番艇首側に座り、他の漕手の動きや他艇との位置を見て、チームへの指示や鼓舞を行う。
2~7=「漕手」。BとCの間に座り、エンジンの役割を果たす。
C=「舵手(コックス)」。クルーの中で一番艇首側に座り、指示を出しつつ、艇をゴールまで真っ直ぐ進める舵取り役。
●一般男子シングルスカル予選7組(全7組。各組2着までが準決勝進出)
鈴木亮真(広島大) 6分53秒76
奥田隆一(京大A) 7分08秒24
對馬拓哉(鹿屋体大)7分16秒86
山本晴佳(関学大A)7分21秒15
島田真宏(神戸大) 7分28秒64
▽一般男子シングルスカル敗者復活1組(全4組。各組1着が準決勝進出。)
大平浩輝(高知大) 6分50秒28
水島永貴(島取大) 7分01秒43
島田真宏(神戸大) 7分07秒20
山本晴佳(関学大A) 7分10秒28
百武侑輝(岡山大医) 7分17秒53
妹尾治哉(京大医紫苑)7分18秒84
了
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