震災25年写真展に市民ら700人訪れる 六甲祭

 11月9日、10日に行われた「六甲祭」で神戸大メディア研は阪神・淡路大震災25年の写真パネル展「あの日、何があったのか」を開いた。貴重な学内の記録写真も含めて三宮や六甲の街の震災後の様子を伝える写真が展示され、2日間で高校生や市民など700人を超える人が来場した。<小野花菜子>


(写真:2日間で700人超の市民が訪れた六甲祭の写真パネル展「阪神・淡路大震災25年?あの日、何があったのか」 2019年11月9日午後、神戸大六甲台本館206号教室で)

 会場となった六甲台本館2階の206号教室には、ビルや家屋が倒壊した六甲周辺の街並みや、崩落したJR六甲道駅、深江キャンパス近くで倒壊した阪神高速道路など、震災直後をとらえた写真23枚(パネル8枚)が展示された。

 焼け落ちた灘区六甲町の下宿アパートの写真には、「倒壊したあと火災にみまわれ、脱出できなかった3人の神戸大生が亡くなった」というキャプションが。また、震災の2か月後に六甲台講堂で行われた神戸大犠牲者合同慰霊祭の写真には、学生39人、教職員2人の遺影がステージに並んでいる。39人の学生が亡くなった神戸大の事実を突きつける記録だ。
 このほか、大学本部の庶務部のフロアには「地震災害対策本部」と張り出され、憔悴しきった鈴木正裕学長の姿も見える。

 初日には400人、トークセッションと重なった2日目は300人を超える人が訪れた。目立ったのは家族づれで、六甲小学校に通う小学1年生の子どもを連れた40代前後の女性は、「いつも行く六甲道の駅がこんなになったんよ」と、1枚1枚のパネルを説明しながら見ていた。
 連れだって訪れた地元の60代ぐらいの女性2人は、「あのとき、この角を曲がったところがひどかったの」などと、震災の記憶を手繰り寄せていた。


(写真:子どもを連れた家族も多く訪れた震災写真パネル展)

 神奈川県から来場した高校生・竹本悠里さんは「遠い存在だった(阪神・淡路大)震災を生々しく感じた。実際に自分の身に起こったらと想像した」と感想を述べた。
 神戸大法学部4年生の藤本久誼さんは、「ゼミで防災について学んでいるが、神戸は復興が進んだ町なので写真を見て言葉を失った」と自身の研究テーマを改めて見つめ直した様子だった。
 写真展では当時を知っている人も知らない若い人たちも熱心に写真に見入り、現在の神戸からは想像もできない様子に衝撃を受けていた。

 神戸大メディア研では、震災で亡くなった神戸大の学生の遺族へのインタビューを進めていて、39家族のうちこれまでに7家族の自宅を訪れるなどして、震災直後の生々しい体験や、後輩学生・大学へのメッセージの聞き取りを行っている。今後、メディア研ニュースブログ(https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media)やツイッター「神大ポータル」(https://twitter.com/oroshi6565)で随時伝えていく。


(写真:会場には震災直後をとらえた写真23枚が展示された。)

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