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- ◎遺族や教職員、学生が参列 神戸大 慰霊献花式
阪神・淡路大震災で犠牲となった学生・教職員を追悼する献花式が、17日午後0時半から六甲台第1・深江両キャンパスの震災犠牲者慰霊碑前で行われた。遺族や神戸大関係者が参列し、慰霊碑に花を手向け、手を合わせた。
六甲台第1キャンパスでは、武田廣学長をはじめとする教職員、犠牲となった学生の遺族に加え、犠牲学生が所属していた部活動等に現在所属している学生の参加も見られた。混声合唱団エルデによる、震災後に神戸の復興を願い制作された合唱曲「しあわせ運べるように」の献歌もあった。 武田学長は追悼の言葉の中で「あの一瞬の出来事により、若き有為な命が志半ばにして亡くなったことはご遺族はもとより我々大学関係者にとっても残念でならない」と話し、「時間の経過とともに、記憶の風化を止めることが難しくなっていることは否めない。しかし多くの犠牲者を出した被災大学として、次世代を担う学生たちに震災の記憶を伝える努力を続けていきたい」と考えを示した。
戸梶道夫さん=当時(経営・2年)=を亡くした母、栄子さんは「年に1回(他の学生の遺族と)会える。自分は大阪に住んでいるので1時間ほどで来られるけれど、新幹線で来るなど、来るのに時間がかかる人もいる。25周年でみんなに会えるのが楽しみだった」と話し、他の遺族とうなずき合った。
震災から25年を迎えた今年は、多くの人が参列し、式は午後2時頃まで続いた。
神戸大では、震災により学生39人、教職員2人、名誉教授1人、生協職員2人が亡くなった。神戸商船大(現海事科学部)でも学生5人、研究員1人が亡くなっている。
【参列者のコメント】(順不同)
▽今英人さん=当時(旧自然科学研究科・博士前期)=の母、良子さん
献花式には毎年参加している。25年の年月は本当にあっという間。とても早いと感じる。
▽上野志乃さん=当時(発達・2年)=の父、正志さん (地震発生時刻に上野さんの下宿跡に)ここ数年、毎年行っている。救援隊の人や、画塾の後輩の人など知っている人が何人も来てくれて、ありがたいなと思う。自分だけでなくて、他の人のためにも(下宿跡に)行った。キクを献花してもらった。
▽戸梶道夫さん=(経営・2年)=の父、幸夫さん
毎年献花式を開いてもらって本当にありがたいと思う。武田学長も言っていたが、大学の中の活動を通して阪神・淡路大震災のことを思い出すきっかけを作っていってほしい。それが震災を忘れないためには大事なことかなと思う。
▽松本久子さん
震災で亡くなった加藤貴光さん=(当時法・2年)=は、娘と同じサークルに所属していた。加藤さんの母、加藤りつこさんの付き添いで参加した。りつこさんが息子を亡くし、希望を失っていた時に知り合い、「この人とつながりたい」と思った。それから25年間親交を深め、今では親友だ。りつこさんが息子に恥じない生き方をしようと思い立ち、震災の経験を伝える活動を通して色んな人とつながっていき、希望を見出す姿をそばで見てきた。この25年間は彼女が前向きに生きるようになった25年間だった。震災を経験していない世代に震災を伝えようと思ったら、経験した大人が若者一人一人と向き合うことが大切だと思う。震災を経験した人が減っているが、本気で震災を伝える大人も減っていると思う。「できることをできる限りやること」が大事だと思う。
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