六甲台学生評議会(ベルカン)が主催する神戸大夏の風物詩「七夕祭」が10日、六甲台第1キャンパスで開催された。
ここ数年あいにくの天気が続いていたが、今年は晴れ入場者数が増加。焼きそばやかき氷などの模擬店の他、酒類を販売するバーも設けた。六甲台本館前、出光佐三記念六甲台講堂前、法学部学舎前の3つ設けられたステージで学生らが様々なパフォーマンスを披露し、祭りに賑わいを呼び込んだ。
◆音楽に乗せ筆躍動 書道研
炎天下の六甲台本館前セントラルステージで、最初の企画となる書道研究会の「書道パフォーマンス」が披露された。部員らは、暑さにも負けず音楽に合わせて勢いよくメッセージを書き上げた。
浴衣姿の部員らが登場し、SUPERCELLの曲「君の知らない物語」に乗せて七夕祭のテーマ「この夏、一番の感動を」の文字を勢い良く書き上げた。オープニングらしく、祭りの始まりを告げるようなパフォーマンスになった。
続くコブクロの「轍(わだち)」に合わせたパフォーマンスでは、曲と共に部員が代わる代わる筆を走らせた。最後にタイトルの「轍」の文字を豪快に書き上げると、会場から大きな拍手が沸き起こった。
選曲したのは、書道研究会会長の田中万結(まゆ)さん(国文・3年)。パフォーマンスのしやすさや、季節感を意識したという。本番を振り返り、「約2週間と練習期間は短かったが、動きの思い切りを良くすることを心掛けた」と話した。
◆よさこい 観客と一体感演出
よさこいサークル「湊」と「山美鼓」は演舞でステージを盛り上げた。
「現世に現れたおばけ」や「宝島への冒険」などの様々なテーマを、踊りや衣装で表現。常に笑顔を絶やさず美しく舞う姿は観客を魅了した。
ステージの最後には、観客も一緒になって踊り一体感に包まれた。湊に所属する経済学部3年の男子学生は、「楽しかった。地域とのつながりを感じられた」と話した。
◆脱出ゲームに児童熱中
児童向けに展開されたのは脱出ゲームだ。さらわれた織姫を助け出すため、挑戦者が彦星となり魔王の元に急ぐ。六甲台本館の教室や兼松記念館前などに用意された三つのコーナーでパズルやクロスゲームを解き、キーワードを集め魔王に立ち向かう。
挑戦者たちは親子で相談し合い、時には実行委員からヒントをもらい答えを埋めていった。灘区から来た幼稚園児、小学生たちはパズルを解きながら「楽しい」とはしゃいだ。
◆和太鼓有「響け!和太鼓」 留学生の心もつかむ
夕方の六甲台講堂前に和太鼓のリズムが響いた。和太鼓有による演奏だ。胸の奥に重く響くような音の迫力が観客を圧倒し、祭りの企画の中でもひときわ存在感を放っていた。
メンバーは大きく体を動かして和太鼓を叩き、ステージを盛り上げる。最後に団体の十八番(おはこ)という「はるかに」を披露。音の強弱を意識した見事な演奏に、多くの来場者が足を止めた。フランス出身の留学生は「太鼓の演奏は初めて見た。(リズミカルな動きが)ダンスみたいで面白かった」と話した。
チームのメンバーは神戸大生から社会人までさまざま。祭りに向けて、5月ごろから練習を始めたという。曲の紹介役を務めた奥田紗智さん(国文・2年)は「お客さんが多く来てくれてうれしかった。出来としてはまあまあ」と謙虚に語った。
◆優勝は地井真夢妃さん 浴衣美人コンテスト
セントラルステージ最後のイベントは「浴衣美人コンテスト」。神戸大生で最も浴衣が似合う美女を決める毎年恒例の企画で、七夕祭の名物となっている。
イベントには大勢の観客が集まり、色鮮やかな浴衣を着た出場者たちが登壇すると大きな歓声が上がった。「胸キュン!あの子に言ってほしいこんな一言!」の企画では、夏祭りをテーマに事前募集されたフレーズを披露。それぞれの出身地の方言を交えた言い回しに、会場は大いに沸いた。
投票の結果、優勝は地井真夢妃(じい・まゆき)さん(発達・3年)に決まった。自身の恥ずかしい失敗談を話す企画では、高校時代の部活動中、思いを寄せていた先輩に転んだ姿を見られてしまったという思い出を明かし、観客の心をつかんだ。優勝が決まると涙を流して「先輩や友達などいろんな人に支えてもらった」と感謝の気持ちを語った。
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