神女院大のキャンパスは昭和8年に建てられたものをそのまま使用している。そのため、1981年に新たに定められた新耐震基準に満たない建物には、随時壁の補強を行っている。これまでは廊下のコンクリート壁と柱が一体になっていたため、地震が起こった際には重心が柱にかかり、建物が崩れやすくなっていた。そこで壁と柱を分離することで柱にかかる負担を軽くする、等の工夫も為されている。
また、「震災の記録」という本を震災発生からちょうど1年後の1996年1月17日に発行。震災発生後約1年間の大学の組織全体の動きをまとめ、緊急事態におけるリスクマネジメント(危機管理)を書き残した。以後何らかの災害・緊急事態が起こったとき、前例をもとに対応できるよう作られた。執筆したのは、学長・事務長・教務部長など約40人の当時の教職員。それぞれが各セクションを代表し、被害の状況・どのように復興したかなどを詳細に記している。教職員が気づいた、施設・設備面や事務分掌の明確化などの問題点も挙げられている。冊子作成の中心の一人である川合教授は「皆(震災の)記憶が薄れている感じがする。小規模大学の良いところを生かした防災対策を考えなければならない」と述べている。
神女院大ならではの防災対策もある。キャンパスが山中にあるため、山火事対策として消化栓が設けられた。また、不審者が学内へ進入しないよう24時間体制で警備員を配備し、各門には監視カメラを設置している。
震災特集2006 各大学の防災への取り組み
2004年
『大学から震災の灯は消えたか』特別版
2003年5月〜11月
【緊急連載】『大学から震災の灯は消えたか』
2003年
『体験者として伝える事』
2002年
『震災7年目の学生たち』
2001年
『覚えていますか あの日のことを』
2000年
『被災学生 5年目の追悼手記』
1999年
『震災グラフ 大学から1999』
1998年
『いま、後輩たちに伝えたいこと』
1997年
『被災下宿は今』