阪神・淡路大震災が起きた1月17日、大学は学生・教職員の安否確認の把握に緊急を要した。電話がつながらない中、安否確認は困難を極めた。各学部の事務室に在学生名簿を置き、通学してきた学生からの情報で安否確認を行っていた。また、関学に学生の安否を尋ねる問い合わせが多く寄せられていたが、情報が錯綜し、回答までにかなりの時間がかかった。そのため、安否確認のスピード化と受け取った情報をまとめ、いち早く情報を発信できる新しい仕組みが必要となった。
そんな中で誕生したのが「安否確認システム」だ。このシステムは1996年度に開発され、関学HPの「災害時のページ」からアクセスできる。2003年には震災時の対処法、避難所の案内などのコンテンツが追加された。使い方は、関学HPのトップページから災害時のページへと進み、「安否確認フォーム」を選択する。フォームに必要事項を記入の上、氏名と所属は災害時にHP上に公開をしてもよいかどうかの選択をする。公開を選択した場合は、大学側が情報の信憑性を確かめた後に公開。「災害が起きずに使用する機会がないほうが幸せだが、もし起きたときに1人でも多くの人の手助けとなるようなページをつくっていきたい」と、HP制作担当の金本さんは話す。
学内の施設は、国が定める耐震基準より高い耐震処置を施している。耐震対策は震災以前から行なわれていて、新しい建物を建てる際、設計書は大学・設計事務所・ゼネコンの3つの機関による検査を経て初めて施工に移されるなどの決まりがある。特に建物の要となる鉄筋においては整合が正しいか、など階層ごとに検査を行う。
周到な耐震対策を取っている同大学だが、経年劣化の問題は否めない。既に建てられた施設の検査も実施され、施設課の各セクションの専門家が適時に点検・検査をしている。
震災特集2006 各大学の防災への取り組み
2004年
『大学から震災の灯は消えたか』特別版
2003年5月〜11月
【緊急連載】『大学から震災の灯は消えたか』
2003年
『体験者として伝える事』
2002年
『震災7年目の学生たち』
2001年
『覚えていますか あの日のことを』
2000年
『被災学生 5年目の追悼手記』
1999年
『震災グラフ 大学から1999』
1998年
『いま、後輩たちに伝えたいこと』
1997年
『被災下宿は今』