総合学習『命の大切さ、考えよう』のとりくみ
地震防災をテーマにした神奈川県立西湘高校の《調べ学習》
1)
簡単な資料を“読む”
(担当=国語科教諭)
地震で崩れ、炎上するアパート。「親友を助けられなかった」と悔やむ大学生。焼け跡に行って、遺骨を拾って、警察署へ行ったものの「遺骨は、身元確認ができないって、その日は持って帰ることができませんでした」と語る学生の母。
このブックレット『語り継ぎたい。命の尊さ〜阪神大震災ノート』にある、地震発生直後のなまなましい証言を読んで、国語科担当の立花先生は、「とにかく生徒に読ませてみよう」と思いました。
2000年の1月から2月にかけて、1年生と3年生の授業で、ブックレットの抜き刷りをプリントにして配りました。授業のテーマは「表現」という項目で、自分の気持ちをどうあらわすかがテーマです。
まず、古典の授業でとりあげた式子内親王の「玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらえて しのぶることを よわりもぞする」という歌を紹介。立花先生は、「命をかけて恋をするという歌だが、命をかけるとはどういうことなのか」と語りかけ、「命のかかった場面というのは、現代の私たちの生活の中でもおこりうることだ」と解説しました。
新潟の少女監禁事件や京都の小学生殺害事件といった社会事象にふれながら、5年前の阪神淡路大震災で、生徒たちと年齢の近い大学生が遭遇したできことをつづった、ブックレットのプリントを彼らに配りました。
立花先生は、手ごたえを感じました。「今までの教員生活の中で、こんなにも生徒が真剣に聞いてくれた授業は初めてでした」と、話しています。
【写真】ブックレットの抜き刷りのプリントから始まった。
《ヒント》
実際に体験した人のノンフィクションや、当時の新聞記事の切り抜きをあらためて読むと、「ドラマ」や「ゲーム」の世界から現実に引き戻して「見る」「感じる」「考える」という効果があるように思います。
総合学習『命の大切さ、考えよう』のステップ
0)
地域のテーマから〜最初のちょっとしたきっかけ
1)
簡単な資料を“読む”
2)
感想文を“書く”
3)
体験談を“聞く”
4)
関係者や現場を“調べる”
5)
文化祭、ホームページ、校内新聞で“発表する”
6)
まとめ
・
総合学習『もいちどチェックだ! 防災マニュアル』
へ
・
フロントページにもどる
※クリックして、それぞれのステップをごらんください。
●制作 2000年11月30日
神奈川県立西湘高等学校
小田原市 主婦サークル「グループ・スプラッシュ」
神戸大学ニュースネット委員会
▽情報提供
ご意見、質問、ブックレット著者の授業への派遣などについては
sinsai@excite.co.jp
までメールでおよせください。
●「神戸大学ニュースネット」のホームページへ
●『語り継ぎたい。命の尊さ〜阪神大震災ノート』のホームページ
へ