総合学習『命の大切さ、考えよう』のとりくみ
地震防災をテーマにした神奈川県立西湘高校の《調べ学習》
3)
体験談を“聞く”
(担当=防災教育担当教諭:石塚弦一郎・香取利英・立花ますみ)
国語科のとりくみから、防災教育へ発展させることになりました。
6月17日、西湘高校の防災訓練にあわせて、全校生徒のみなさんにブックレットの著者のNHKアナウンサー・住田功一さんが講演することになりました。企画を考えたのは、防災教育担当の先生たちです。
実際に、神戸の実家で地震に遭った住田アナの体験談を、体育館にあつまった生徒たちが聞きました。
防災講演会
最初はカタカタッ、キクキクッという小さな揺れで目を覚ましたこと。次の瞬間、ガッターン、ガッターンという強烈な硬い縦揺れがきたこと。町をヒッチハイクしながら、テレビやラジオのリポートをしたこと。
そして、友人のお母さんや、母の友人、父の同僚が亡くなったこと。
住田アナは、あの日見たことや、自分が体で体験したことを語りました。
そして、ブックレットにも掲載されている、神戸大学の後輩たちの学生の追悼手記を朗読しました。
最初は、少しざわざわしていた体育館も、次第に静かになってきて、目を潤ませながら聞いている女子生徒や、うつむいて耳を傾けている男子生徒がいました。
最後に、住田アナは、「いま、ここで大きな揺れに襲われたら、どうしますか」と問いかけました。
津波が小田原を襲うかもしれない。橋が落ち、駅前のビルが崩れ、東海道線が止まるかも知れない。「怪我をしている人たちは、あなたたちに助けを求めるだろう。そんななかで、高校生のみんなも大切な力なんだ」、「小田原を地震が襲う日は、いつかくる。そのときは、がんばろうね」と締めくくりました。
講演を聞いて--高校生たちの感想
【写真】体育館に全校生徒が集まった。(2000年6月17日)
トークセッション
全校講演会では、ちょっと“密度が”薄いのではいかということで、十分程の休憩のあと別室で「トークセッション」が設定されました。
希望する生徒約10人と先生9人とが参加しました。
そのなかで、「自分達が怪我をしたのでは、災害が起きたときの力になれない」、「いつも心掛けておく防災の備えは何ですか」、「それをまとめた本はないのですか」という質問がでました。
住田アナは、これ、という一冊はその場ですぐには紹介できなかったのですが、「いろいろな防災の本が出ているので、生徒の皆さんがそれを読んだり、現場の人たちに取材して、みなさんなりの防災のハンドブックをつくったらどうですか」と話しました。
ここから、次の展開につながったのです。
【写真右・下】講演会のあと別室で行われた「トークセッション」。先生も生徒も希望者が集まった。(2000年6月17日)
総合学習『命の大切さ、考えよう』のステップ
0)
地域のテーマから〜最初のちょっとしたきっかけ
1)
簡単な資料を“読む”
2)
感想文を“書く”
3)
体験談を“聞く”
4)
関係者や現場を“調べる”
5)
文化祭、ホームページ、校内新聞で“発表する”
6)
まとめ
・
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※クリックして、それぞれのステップをごらんください。
●制作 2000年11月30日
神奈川県立西湘高等学校
小田原市 主婦サークル「グループ・スプラッシュ」
神戸大学ニュースネット委員会
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