総合学習『命の大切さ、考えよう』のとりくみ
地震防災をテーマにした神奈川県立西湘高校の《調べ学習》
2)
感想文を“書く”
(担当=国語科教諭)
特に1年生では、3つのクラスでこのブックレットの抜き刷りプリントを生徒に読んでもらったうえで、感想文を書いてもらったところ、全員が提出してくれました。
「すぐに提出する子や、遅く出す子はいましたけれど、全員が感想文を書いてくれたんです」、「ふだんは書くことが苦手な子までグングン書いてあった」と立花先生。
平易な文章ながら新鮮なタッチのノンフィクション、現場を伝える写真やデータ。心を動かす事実と直面したことが、生徒に文章を書かせたのではないかということです。
その一部を紹介します。詳しくは生徒たちの感想文の掲載されている
『語り継ぎたい。命の尊さ〜阪神大震災ノート』
「高校生からのメッセージ」欄をご覧ください。
【写真】短いものからびっしり書かれたものまで。「こんなに多くの生徒が感想文を提出してくれるとは思わなかった」と立花先生はいう。
◎かわいそう つらすぎるよ
城田悠子(神奈川県立西湘高等学校 1年3組)
私の頭の中には、いろんな思いが浮かびました。それは、一言で言えそうで、言えない。とっても複雑な思いです。「かわいそう」「どうして?」「仕方ないのかな?」「つらすぎるよ」と、さまざまでした。でも、この一言一言の思いの奥には、現実に起こった厳しくて悲しい出来事があるんです。
何の予告もなく、いきなり起った地震で、何の罪もない人が、何の意味もなく亡くなったかと思うと、とても残酷だと思います。(中略)
誰にだって大切な人がいっぱいいます。私にもいっぱいいます。家族、友達、スキな人。そんな人と、ずっと、一緒にいたい。今の私はそんな思いがいっぱいです。この思いだって、どんな人でも、何歳でも、みんな持っていると思います。
だから私は思った。人が思うことの奥には何かがあるんだ、と。そんな思いを大切に失わないでいくことが一番大事なことなんじゃないかなぁ。と思います。どんな人だって一人ぼっちじゃない。みんながそういう思いを持っていてほしいと思います。
◎関東大震災の話 聞いていたのに
穂坂恵利加(神奈川県立西湘高等学校 1年5組)
1995年1月17日、早朝。
小学校5年生だった私は、いつものように目覚め、
いつものように朝食をとっていました。
神戸で何が起こっているのかも知らず。
その頃の私は阪神大震災を
それほど大きなものとは考えていなかった気がします。
小さな頃から、祖母に関東大震災の話を
耳にタコができるくらい聞いていたのに。
この本を見る機会ができて、
明らかに昔の私よりは理解する事ができました。
一瞬にして最愛の人を失う悲しさや悔しさ。
震災へのやり場のない怒り。
でもきっと、失ったものだけではないと私は思います。
助け合う気持ち、命の大切さ、
これから私たちがどのように毎日を過ごしていくべきか。
それは一人ひとり色々な形で心に残っていると思います。
それをどうやって次の世代に伝えるかだと思います。
総合学習『命の大切さ、考えよう』のステップ
0)
地域のテーマから〜最初のちょっとしたきっかけ
1)
簡単な資料を“読む”
2)
感想文を“書く”
3)
体験談を“聞く”
4)
関係者や現場を“調べる”
5)
文化祭、ホームページ、校内新聞で“発表する”
6)
まとめ
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※クリックして、それぞれのステップをごらんください。
●制作 2000年11月30日
神奈川県立西湘高等学校
小田原市 主婦サークル「グループ・スプラッシュ」
神戸大学ニュースネット委員会
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