総合学習『命の大切さ、考えよう』のとりくみ
地震防災をテーマにした神奈川県立西湘高校の《調べ学習》
4)
関係者や現場を“調べる”
(担当=新聞委員会の顧問教諭:諸井暁之 防災委員会教諭:石塚弦一郎・立花ますみ)
「ボクらの防災マニュアルを考えよう」。今度は、西湘高校の新聞委員会の生徒さんを中心に、「地震に対する防災メモ」をまとめることになりました。
ここで指導したのは、新聞委員会の顧問の諸井先生です。講演をした住田アナと、ブックレットの企画をたた小田原の主婦サークル「グループ・スプラッシュ」の井上裕子さんがアドバイザーとして加わりました。
夏休み中に下調べや取材をして、9月の文化祭で発表することが決まりました。
テーマ設定で基本にしたのは、「他の学校やメディアが手をつけていない、オリジナルのものを」という点です。そうすることで、生徒たちのフィールドワークが、そのまま社会に貢献できる資料になるからです。
・8月1日 企画ミーティング
数冊の「防災マニュアル本」を手にとってみて、グループに分かれて、
防災マニュアルにはどんな項目があるのか、
全部カードに書き出してみることにしました。【写真右上】
・8月16日 準備作業ミーティング〜カードでテーマの決定〜
カードを持ち寄り、「日常そなえる防災マニュアル」「地震発生直後の行動マニュアル」
「被災地でのサバイバルマニュアル」におおきくわけてみましたが、
項目は全部で54項目にものぼりました。【写真右】
テーマは、「防災マニュアルのウソ、ホント」に決まりました。
防災マニュアル本を読み比べてみると食い違いもいくつかあったからです。
・8月21日〜 取材
3班に分かれて、取材に出かけました。
8/21←1)東京消防庁「本所防災館」=東京・錦糸町=【写真右】
6名(下田岳史・石塚弦一郎・住友麻起・立花ますみ・原田麻衣・住田功一)
8/25←2)小田原市役所=小田原市=4名(諸井暁之・田中沙耶・瀬戸柚貴・井上裕子)
8/30←3)神奈川県防災センター=厚木市=
5名(大島美帆・穂坂奈緒子・中戸川かおり・諸井暁之・井上裕子)
の三か所です。防災マニュアル本の食い違いについて、
「どっちが正しいの?」という疑問点を、防災の専門家にぶつけてみました。
「本所防災館」では、最新の起震装置で、阪神大震災の震度7を体験しました。【写真右下】
縦揺れ、横揺れがコンピューターのデータで再現されます。
「事前に揺れる、と知っているから机の下に隠れたけど、突然ならへたりこんじゃうと思う」
と高校生たち。
係の人の「机の脚の付け根のほうを持って、机と一緒に揺られると、けがをしにくい」
などという細かいアドバイスに、一同感心。
このほか、日本道路公団、損害保険会社、東大地震研究所などには電話・ファクスで取材しました。
時間的な余裕があれば、直接、当事者にあって取材したいところでした。
・9月1日 南関東7都県市の総合防災訓練を取材=3名(大島美帆・穂坂奈緒子・井上裕子)
災害救助犬のトレーナーに取材。阪神大震災の救援活動をした自衛隊の人にも話をききました。
「遠くの壇上に立つ森首相もみちゃった」と生徒たち。
・9月2日 まとめのミーティング〜文化祭で発表だ!!〜
いよいよ、9月9日、10日に迫った文化祭への準備にかかります。
模造紙での発表/防災ビデオの上映/非常食をたべてみようコーナー
の三本だてに決定。【写真右下】
《ヒント》
電話での取材は、住田アナや出版社で編集者の経験がある井上さんの助言が有効でした。こちらの学校と氏名をなのり、主旨をきちんと伝え、要点を聞き出しメモをとり、相手の所属・肩書きと名前を漢字でひかえる。という取材体験は、高校生なら十分トライできる体験です。どの会社・自治体の、誰にきけば、必要な情報がとれるかの糸口については、若干のアドバイスが必要でした。
総合学習『命の大切さ、考えよう』のステップ
0)
地域のテーマから〜最初のちょっとしたきっかけ
1)
簡単な資料を“読む”
2)
感想文を“書く”
3)
体験談を“聞く”
4)
関係者や現場を“調べる”
5)
文化祭、ホームページ、校内新聞で“発表する”
6)
まとめ
・
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●制作 2000年11月30日
神奈川県立西湘高等学校
小田原市 主婦サークル「グループ・スプラッシュ」
神戸大学ニュースネット委員会
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